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アフリカ開発会議には51か国から首脳級が参加し、その中には女性首脳が何人もいたが、日本のマスコミは全くと言っていいほど注目しなかった。リベリア大統領のエレン・サーリーフ、マラウイ大統領のジョイス・バンダ、AU議長のヌコサザナ・ズマなどがいる。この人たちはどういう人物なのだろう、どのような政党なり勢力を率いていて、どのようにして国家の指導者になったのだろう、と自然に関心を抱く。ノーベル平和賞を受賞したサーリーフは著名だが、他の人たちは何かドラマがあるのだろうか、どういう背景や事情があるのだろうかと想像を廻らす。しかし、日本のマスコミは焦点を当てず、彼女たちのプロフィールを国民に伝えることをしなかった。マスコミが報道した今回のアフリカ開発会議は、一から十まで安倍晋三が主役で、安倍晋三ばかりをテレビに映し、メッセージは「打倒中国」で一貫していた。安倍晋三を宣伝し、中国を悪宣伝するための政治外交セレモニーだったと言っていい。訪日したアフリカの首脳たちは、安倍晋三の宣伝ショーに利用された刺身のツマで、外務官僚がODA1.4兆円をせしめる政治イベントに駆り出されたエキストラだった。NHKを始めとしてカメラを向けるマスコミ連中の頭の中には、首脳たちに関する知識は何もなく、名前さえ知らず、関心はただ、どうやって安倍晋三のパフォーマンスを官邸の注文どおりの絵にするかだけだっただろう。
by thessalonike5
| 2013-06-05 23:30
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