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本と映画と政治の批評
by thessalonike5


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ベアテ・シロタ・ゴードン『1945年のクリスマス』を読む(3)
ベアテ・シロタ・ゴードン『1945年のクリスマス』を読む(3)_b0090336_18112432.jpgマッカーサーは、何故このようなラディカルな憲法草案を作成したのか。その理由についてベアテも著書の中でよく説明しているが、まず、ジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』(下巻)から引用をしよう。「第一は、日本国民からの脅威である。高野(岩三郎)や共産党の憲法草案に具体化された『共和』思想は、時が経つにつれて強力になるだろう。第二は、諸外国からの脅威である。連合国陣営のなかには天皇に強く反対する国々が存在し、近いうちに憲法改正の諸条件に干渉するようになるだろう」(P.133)。マッカーサーの方針は、徹頭徹尾、天皇を温存し、天皇を利用して占領政策を有効に進めるところにあり、連合国の中で天皇制の廃止を要求するソ連や豪州の介入を排除し、彼らの機先を制して自らの思惑どおりに戦後日本の国家体制を固めることを急いだ。天皇を守り抜くこと、それがマッカーサーの動機であり決意に他ならない。極東委員会・対日理事会の活動が活発になり、影響力を拡大する前に、ポツダム宣言の要請に沿った憲法改正を確定させる必要があった。占領軍に対する諮問委員会である極東委員会は、2/28にワシントンで発足する日程になっていた。2/1、すなわちベアテらの起草作業開始の3日前、マッカーサーは部下の報告から、極東委員会が始動すれば、日本の憲法改正の権限はマッカーサーから対日理事会(米英ソ中)の手に移るという情報を得ていた。また、1月初旬、ワシントンからもマッカーサーに対して、天皇制の廃止を含む急進的な憲法改正を勧告する極秘電報が打たれていた。




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ベアテ・シロタ・ゴードン『1945年のクリスマス』を読む(3)_b0090336_18124843.jpg

by thessalonike5 | 2013-04-22 23:30
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