本と映画と政治の批評
by thessalonike5
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長谷部恭男の作為 - 「リベラル・デモクラシー」の欺瞞
b0090336_16541986.jpg憲法学のアカデミーの現状はどうなっているのか、憲法をどう考えているのか、それを知りたいと思って、長谷部恭男の『憲法とは何か』の頁をめくってみた。読み終わって、長谷部恭男の憲法観なり日本国憲法論なりをストレートに知るには、この岩波新書ではなく、ちくまの『憲法と平和を問い直す』の方が適当なのだろうと直観したが、正直なところ、時間とお金をかけて二冊目まで購読しようという気にはなれない。この本では、立憲主義とリベラル・デモクラシーの二つがキーワードになっていて、二つの術語を用いて日本国憲法を思想的に定義し、その意義を説明する内容となっている。また、この二つの言葉は、憲法学者である長谷部恭男の立場を示すものでもあり、すなわち現在の日本の憲法学の主流が、この思想的立場と言説方法にあることを読者は窺い知ることができる。「立憲主義」という言葉が、憲法を説明し日本国憲法を性格づけるにおいて、これほど頻繁に登場し、さらには過剰に氾濫するようになったのは、実は最近のことだ。憲法について、われわれは小学6年、中学3年、高校3年の社会科で学習し、大学では一般教養の必修科目で講義を受けたが、教科書でも授業でも、「立憲主義」から憲法を概論するという場面に遭遇したことがない。ロック・ルソーの自然法思想と社会契約、フランス人権宣言、ワイマール憲法、平和主義という歴史的流れで日本国憲法が説明されるのが一般論だった。


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# by thessalonike5 | 2013-04-04 23:30
憲法学のアカデミーの寡黙 - 立憲主義の言説の遠景
b0090336_16511861.jpg先週末、憲法をめぐる問題で二つの事件があった。一つは、3/30に維新の会が初の党大会を開いて綱領を採択し、きわめて過激な改憲の主張と目標を入れたことだ。「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押しつけた元凶である占領憲法を大幅に改正する」と狂暴に宣言している。渋谷の駅前の街宣右翼の口調そのままであり、現在は2ちゃんねる等のネット掲示板で右翼が常套句で並べている言葉だ。「右翼が」と言っても、掲示板に書き込んでいるのは右翼ばかりなので、景観としては、この忌まわしい咆哮がネット言論の主流になっている。この暴論にはさすがに朝日も閉口したようで、翌日(3/31)の社説で、「これでは平和主義を含む憲法の全面否定であり、とうてい容認できない」と反発の声を返した。一方、読売の社説は、「憲法改正への強い意欲はうかがえた。自民党に対抗し得る保守政党に成長できるだろうか」と応じ、朝日とは対照的に歓迎と期待の姿勢を示した。そして、「憲法改正は、参院選の最も大きな争点の一つになる」と言っている。橋下徹や石原慎太郎の挑発に、私のような市井で彼らを拒絶する者が、何か反論して意味があるとも思えず、憤怒と憂鬱を堪えて黙って聞き流すしかないが、「(平和憲法が)日本を孤立と軽蔑の対象に貶め」たという認識は誤りだ。右翼の脳内で通用する論理であって、事実は逆である。


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# by thessalonike5 | 2013-04-03 23:30
どの選挙制度が最適か - J.S.ミルの「代議制統治論」から
b0090336_18115048.jpgマスコミ報道でも、ほんの少しだが、「一票の格差」について厳密な区割りにすると、議員が東名阪だけになってしまうという懸念の声が出され始めた。一票の格差をなくせという主張は正論で常識だが、地方の議員が減ることによって、地方がますます衰退するという指摘も常識だ。選挙制度については、これが絶対というものはなく、どれも一長一短があり、すなわち熟慮とフィードバックで調整を図り、よりベターなものに仕上げていくという方法を選ぶ態度が必要だろう。その点、今回の議論では、地方の弊害があまりに無視されすぎていて、「一人一票」の原理主義が怒濤のごとく司法とマスコミによって扇動され、厳密な区割りの徹底こそが真の民主主義で絶対的正義だと喧伝されている。デメリットが捨象されている。そして、その運動の旗を振っている連中の素顔を見ると、小泉構造改革の主役だった毒々しい面々ばかりという不気味な事実に気づく。ここに、危険で奇妙な政治の臭いを嗅ぎつけない人間はいないだろう。支配者側の動機と欺瞞がある。相反する常識と常識を秤にかけること、矛盾する二つの制度上の利益を比較衡量して、妥当な線引きを慎重に図ること、こうした姿勢が、今回の司法判断とマスコミの議論では見られない。本来、それをするのが司法であり、法曹家の使命ではないのか。弁護士のバッジには秤が彫られている。法の女神テミスは片手に天秤を持っている。第一東京弁護士会はHPで、「法の本質はバランスにあり」と言っている。


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# by thessalonike5 | 2013-04-01 23:30
上からの運動 - マスコミが主導する「一票の格差」是正
b0090336_1754181.jpg「一票の格差」をめぐる各地の高裁の違憲判決のニュースを見ていると、いつも同じ絵が登場する。原告の弁護士グループが、勝訴した後、同じ図柄の紙を持ってマスコミの前に立ち、カメラにそれを撮らせている場面である。白地に黒字で「違憲判断」と大書され、その左下に「人口比例選挙 国民主権国家 ○」、右下に「非人口比例選挙 国会議員主権国家 X」と書かれている。同じフォーマットだ。この訴訟のトレードマークとして、マスコミ報道ですっかり定着した絵柄になった。これを見ると、各地の「一票の格差」をめぐる訴訟が、地域で独自に提起されたものではなく、全国一律に組織的に行われた運動であることが分かる。裁判所に提訴した原告は地元の弁護士だが、升永英俊と伊藤真の「一人一票実現国民会議」の運動の活動家たちだ。この訴訟と運動は、決して選挙区の有権者が自らの意思で起こしたものではない。選挙区の住民が投票権の不公平に怒り、一票の権利平等と全き民主主義を求めて立ち上がった運動ではない。例えば、現行の選挙制度を自身への差別として憤慨した市民が、官邸前で抗議デモを始め、それが訴訟に発展したという性格のものではない。弁護士グループによるところの、まさしく上からの運動だ。その点、昨夜(3/27)のテレビ報道で大きな話題になったような、成年後見制度のために障害者が選挙権を奪われたという問題とは全く違う。


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# by thessalonike5 | 2013-03-28 23:30
滑稽な詐欺論法で「一人一票」運動を正当化する伊藤真
b0090336_15275951.jpg「一人一票実現国民会議」は、本当は何を目指した政治団体なのだろう。発起人・賛同者のリストが妙に怪しい。「一票の格差」と聞いて思い浮かべるところの人々とは少しイメージの異なる、もっと毒々しい有名人がズラリと並んでいる。奥谷禮子、川本裕子、宮内義彦、古賀茂明、野村修也、三木谷浩史。前三者は小泉政権のときに構造改革の要所で腕をふるった面々で、その活躍ぶりは記憶に新しい。小泉純一郎や竹中平蔵とともに一つの記憶の籠の中にある連中で、小泉構造改革のオールスターズである。後者は、前者に代わって現在進行形のキャラクターズで、言わば安倍・橋下構造改革の主力メンバーである。櫻井よしこ、屋山太郎、すぎやまこういちといった札付きの右翼も顔を揃えている。全体に感じる傾向は、小泉純一郎の時代に活躍した論者が多く、極端な親米・ネオリベ原理主義へと社会を牽引した功労者たちだ。「一人一票実現国民会議」の事務局は、どういう基準でこれらの面々を発起人・賛同者の名簿にピックアップしたのだろうか。「一票の格差」の問題は、昨年後半から急にマスコミで取り上げられるようになった感がある。特に朝日が、テレビ(報ステ)を使って執拗にキャンペーンを打っていて、洗脳エバンジェリズムの主軸に三浦俊章がいる。ポスト若宮啓文の、右寄り・新自由主義寄りに体制再編した朝日を象徴する図だ。これは、司法官僚とネオリベ弁護士団とマスコミが裏で結託した、正義の仮面をかぶった陰険な政治工作ではないか。


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# by thessalonike5 | 2013-03-27 23:30
「一票の格差」論の死角 - 地方議員を減らす民主主義
b0090336_14564711.jpg広島高裁で昨年の衆院選を「違憲で無効」とする判決が出た昨日(3/26)、夜のテレビ報道はこの話題を大きく取り上げたが、特に「一票の格差」問題をキャンペーンしてきた報ステは、スタジオに升永英俊を生出演させ、激越な口調で「一票の格差」の不当性をアジテーションさせていた。弁護士の升永英俊は「一人一票実現国民会議」の設立者で、自身のHPにも、その意義を強く訴えるメッセージを載せている。昨夜は、おそらく選挙人選出の際の平等を言っていたのだと思うが、米国大統領選において有権者の投票権が日本と違っていかに公平平等に配分されているかを、古舘伊知郎を挑発しつつ過激に論じ立て、日本には憲法に保障された民主主義が実現されていないと厳しく非難していた。主張は正論だが、弁護士の一般的イメージからは少し逸脱した感のある執拗で強引な態度に、古舘伊知郎だけでなく視聴者も異様な印象を受けた点は否めない。HP上に昨夜と同じ言葉がある。「飛鳥時代から平成までの1600年の歴史の中で、日本は未だ一度も民主主義国家であったことがない」。「日本は民主主義国家ではない。なぜなら、有権者の多数決でなく、有権者の小数決で、立法がなされ、かつ行政府の長が選ばれているからである」。国民的正論である「一票の格差の是正」論だが、私は升永英俊の主張にも、「一人一票」の運動や報ステのキャンペーンにも違和感を覚える。


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# by thessalonike5 | 2013-03-26 23:30
韓国のサイバー攻撃の問題を考える - ザッヘに即け
b0090336_16464876.jpg韓国で3/20に起きたサイバー攻撃の事件について、関心を持って情報を追いかけている。来るべき日本と中国の戦争は、21世紀らしい本格的なサイバー戦になるだろうという予感があり、しかも、それが国民総動員のものになり、一人一人が日常の中で「歩兵」と化して、「第五の戦場」と呼ばれるサイバー空間に駆り立てられ、各自がPCやスマホを武器に敵を攻撃する作戦に参加しているだろうと、ずっとそういう予想を論じてきた。それが、オーウェルの次の段階の黙示録なのだと、そんなことを言ってきた。そうした危機感や着想があるため、今回の事件も前のめりになって注目をしてしまう。マスコミ報道は、例によってと言うか、丁寧に事件を説明をせず、何が起きたかの取材をせず、韓国の報道を簡略化した手抜き記事を流すか、北の脅威を煽るだけの中身のない薄っぺらな情報になっている。ネットのIT系の情報サイトの中に、まともに見るべきニュース解説があり、事実を客観的に整理したものや分析や考察を加えたものがある。今日の朝日の紙面には、この問題を伝える記事が1行もなかった。今、ネットの中で最も話題になっているのは、昨日(3/21)片山昌樹がITProに上げた記事である。この議論の真偽は別にして、真相を探る独自の見方が示されていて面白い。一つの仮説として説得力のあるものだ。この論考では、韓国の企業ではWindowsサーバーに非正規ライセンスの利用が残っていて、それが問題の原因だと指摘している。


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# by thessalonike5 | 2013-03-22 23:30
イラク戦争10周年 - 米国の戦争責任に沈黙のマスコミ
b0090336_17242752.jpg春分の日の昨日、3/20はイラク戦争の開始から10年の節目の日で、マスコミがそれに焦点を当てた報道をしていた。朝日も1、2、4面に記事を配置、社説を上げ、福田康夫のインタビューを載せている。開戦10周年を伝えるマスコミ報道でキーとなったメッセージは二点で、一つは、米国が巨額の財政赤字と深刻な後遺症で苦悩しているという負の遺産の問題であり、もう一つは、宗派対立による暴力の連鎖が続き、大規模なテロで日常的に市民が犠牲になっているイラクの惨状である。ほとんどのマスコミ報道で紹介された情報だが、米ブラウン大の研究機関による推計で、米政府のイラク戦争関連支出は1.7兆ドル(約161兆円)、負傷兵への将来的な補償費、戦費への利子等を加えると、総額で6兆ドル(約580兆円)に達する。この膨大な費用負担を米政府は続けなくてはならず、厄介な戦争の後始末は今度も続くということだ。この試算にはアフガン戦争の分が含まれていない。両方を合算すると数字はもっと大きくなる。オバマが、今後は米国は戦争において地上軍を投入しないとコミットした理由がよく分かる。イラク戦争を支持した米国の多くの国民は、戦争がこれほど長引くとは思わず、これほどの犠牲と支出と負債を引き受ける羽目になるとは想像もしなかっただろう。侵攻から1か月でフセイン政権を倒し、全土を占領して「終結宣言」を出したが、いわゆる反米武装勢力の抵抗に遭い、占領政策は成功裏に進まず、結局のところ泥沼化して2011年の米軍撤退を迎える。
 

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# by thessalonike5 | 2013-03-21 23:30
TPPの政府資料 - 農水省の元の試算値を露骨に改竄
b0090336_1759316.jpgネットでTPPに関する動きを調べていたら、3/10に十勝で農家4千人による反TPPの集会が打たれていた。開催地は音更町。帯広の北隣の町だ。十勝19市町村で4300人の集会は大きい。生憎この日は震災2周年の前日のタイミングで、しかも日曜だったこともあり、マスコミ報道で大きく取り上げられることがなかった。十勝は日本屈指の農業生産基地で、砂糖の原料になる甜菜(ビート)と小麦の生産量が多い。酪農も盛んだ。日本の砂糖の自給率は35%で、北海道(特に道東)の甜菜と沖縄・奄美のサトウキビで支えられている。日本国内で消費する砂糖の25%が甜菜を資源にして加工されたもので、製菓メーカーや飲料メーカーに出荷され、チョコレートなど菓子類や飲料品の原料になっていた。帯広の東隣の芽室町には日本甜菜製糖会社の主力工場があり、ここで周辺の農家が生産した甜菜が集荷され精糖されている。甜菜の根から砂糖を取り出す技術が確立したのは18世紀後半のヨーロッパで、ここからチョコレートの生産が本格的に発展した。1870年、明治政府から派遣された松方正義がパリ万博を視察、そこで現地の甜菜製糖事情を見て導入を勘案、北海道への事業移植を図り、試行錯誤を経てこの地に産業として根づいた。現在の農業王国北海道の姿は、明治国家による近代化の苦心の作でもある。ちょうど今ごろ、農家はビニールハウスの中に甜菜の種をまく。種まきと苗作りの季節だ。それを4月に畑の土の上に移植する。


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# by thessalonike5 | 2013-03-19 23:30
岸井成格の「TPPに入らないっていう選択肢はもうない」
b0090336_1791162.jpg昨日(3/17)、TBSのサンデーモーニングでTPPが取り上げられ、金子勝が出演して解説を加えていた。(1)日本が参加してもルール作りに関与する時間はなく、唯一、コメを例外品目として勝ち取れるかどうかだ、(2)米韓FTAによって60本以上の韓国の国内法が改定を強いられたが、金融、知財、社会保障、食品安全基準など、米国のルールが日本に押しつけられる、(3)ISD条項によって日本政府が米国企業に訴えられ、多額の賠償金を取られる。過不足ない説明で、当を得た指摘だったが、それに対して岸井成格が賛成論を猛然とまくしたて、「TPPに参加しないっていう選択肢はもうないと思う」と言い、幸田真音がそれにだめ押しし、議論は打ち止めになった。TPP参加に反対論を唱えたのは、5人のコメンテーターの中で金子勝だけだった。予想したとおり、マスコミは3/15の安倍晋三のTPP参加表明に対する世論調査の結果を3/17の夕刻から流し始め、朝日の記事では、安倍晋三による参加表明を「評価する」が71%、日本のTPP参加に「賛成」が53%の数字が出ている。「反対」は23%。毎日の記事では、「支持する」が63%、安倍内閣の支持率が70%となった。この世論調査の数字が最初にあって、岸井成格のコメントが発されている。きわめて不可解な現実ながら、TPPについては、その危険な中身がどれほど詳しく訴えられ、公論として広まっても、支持の世論ばかりが大きくなっていく。


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# by thessalonike5 | 2013-03-18 23:30
消えた「食料自給率」の語 - TPP交渉参加表明の政治
b0090336_1639182.jpg疾風怒濤の反動政治が勢いよく進行している。自民党が衆院選に勝利した昨年12月、岸井成格などマスコミ論者は、安倍晋三は半年間は「安全運転」に徹し、経済政策だけに専念するだろうと言い、TPP参加も夏の参院選以降だろうと予想を述べていた。ところが、わずか3か月でTPP交渉参加に踏み切り、4月には「主権回復の日」の式典強行を決めていて、残るのは原発再稼働と憲法改定だけとなった。7月下旬の投票日まで4か月も時間があり、このままでは参院選の争点は改憲の是非になるのが必至だ。内田樹は、選挙後に安倍晋三の支持率は急落するだろうと予測したが、これも大きく外れ、時間の経過とともに逆に支持率は上がっている。日米首脳会談時の記事で論じたが、このTPP交渉参加表明は、米国の円安容認と交換取引の外交所産で、時期が前倒しになったのはオバマの強い要求によるものだ。当初、安倍晋三は最初の訪問先を米国にすると明言、1月にも気楽に訪米する構えだった。ところが、米側からTPP交渉参加を土産に持参するよう求められ、夏以降表明の予定が狂い、調整に手間取った結果、訪米日程を延ばさざるを得なくなったのである。が、安倍晋三はもともと強烈な新自由主義者で、TPPについても橋下徹と同じく積極論者だった。右翼の一部に勘違いがあるが、安倍晋三がどれほどTPPに猪突猛進だったか、今日の朝日の2面に記事がある。


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# by thessalonike5 | 2013-03-16 23:30
暴走する安倍晋三と右翼日本 - 野党勢力は中韓と沖縄
b0090336_17493076.jpg「震災から2年」の報道に隠れて、あるいはそれに被せて、恐ろしい政治の動きが次々と進行している。そして、それらは株価や賃金の上昇のニュースによって不安感が消され、悪政として意識されるべき危険情報の配信にならず、逆に、安倍晋三を高支持率で支える国民多数の政治意思の遂行と進行のように、むしろ肯定的なノリ(=空気=雰囲気)で報道されている。「震災から2年」の2日前の3/9、安倍晋三がテレビ番組の中で憲法9条の改定について意欲を明言、96条の改定から踏み込んで、9条が標的であることをアピールした。それに対して維新の橋下徹が賛意を表明、国内のマスコミは素通りで、韓国の新聞だけが批判を加えている。また「震災から2年」の翌日の3/12、国会答弁で、東京裁判について「日本人自身の手によることではなく、連合国側の勝者の判断で断罪がなされた」との認識を表明、東京裁判に対して懐疑的な姿勢を示した。これに対して中国政府が反発、3/13に華春瑩が、「日本は歴史を正視し、深刻に反省して初めてアジアの隣国と良好な関係を築ける」とコメントしている。国内のマスコミから批判めいた論調の記事は全く発信されていない。安倍晋三は7年前の2006年も、国会答弁で「A級戦犯は国内法的には戦争犯罪人ではない」と発言して物議を醸したが、このときと違うのは、国会の質疑答弁の政治構図が変質、逆転していていることだ。


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# by thessalonike5 | 2013-03-14 23:30
合掌
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# by thessalonike5 | 2013-03-09 23:30
辺見庸のスメグマ論 - 紡ぐ言葉もない廃墟と絶望から
b0090336_1715621.jpg辺見庸の新刊書の中に、こういう件がある。「このところ、またぞろ増長しはじめている安倍、石原、橋下某ら、言葉のもっともせいかくな意味あいでの『犯罪者』たちにしても、言うもおろか、たとえてみれば、スメグマ(smegma)というギリシャ語由来の言葉が表象するカスのかたまりのような、何かひたすら虚しいものの再生産品にすぎない。(略)このたびの選挙で時代が一変したかのように言う者もいる。右傾化だのファシズムだの軍国主義化だのと。そうにちがいない。そうなのだから、刃向かうなりなんなりしなければならない。それとともに、わたしはこの事態にもっともっと、とてつもなくくだらぬ、豚の放屁やそのさいの豚小屋の藁や糞やそのカスの一抹の飛び散りのようなものを感じるのである。いうまでもなく、豚の放屁はけっして下等ではありえない。だが、このたびの選挙は、かつての選挙と同様、人という生き物がいかに下等な被造物かをあますところなく示した。(略)語るだに嘔気をもよおす。何に嘔気するかと言えば、スメグマ的ファシズムの臭気というより、わたしらが単にスメグマ(略)の持ち主でしかない、抗っても抗っても、それ以下ではあり得るけれども、それ以上ではあり得ないことに、である。歯ぎしりしたって、前述の安倍、石原某ら犯罪者とスメグマつながりにある事実を否定できはしない、という実存の現在的スタイルに心づくとき、嘔気はさらにつのるのである。(P.13-15)。


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# by thessalonike5 | 2013-03-08 23:30
尖閣問題での辺見庸と村上春樹 - 中国人は阿Qなのか
b0090336_1622666.jpg辺見庸は、昨年の反日暴動で日系の商店や日本車を襲撃した中国人たちについて、魯迅の阿Qだと言っている。「阿Qは、ちゃらんぽらんで、なんでも自分に都合よく解釈するオポチュニストであり、時に応じて付和雷同する貧しい愚民の典型である。つまり、魯迅が仮借なくつきだした昔日の中国民衆像が阿Qなのだが、しかし、阿Qの末裔は現代中国のみならず、この日本でも、いや、世界各地でいま急速に増殖していないだろうか」(P.25)。これは、反日暴動の直後の9/25に信濃毎日新聞に寄稿した中の記述だ。新刊書に収録されている鵜飼哲との対談でも、この問題に触れた場面が登場する。こう言っている。「魯迅が阿Qをどう思っていたか。これはほとんど『魯迅とは何か』と同じくらいに重要な問題設定だと思います。僕は、魯迅は阿Qを愛していたと最終的には思わざるをえないところがある。同時に、魯迅の自己嫌悪としても『阿Q正伝』はあると思うんですよ」「中国の人たち(略)はつまり、かなりニヒルだということです。僕の見るところ、個人主義という意味においては、日本よりも彼らの方が個人主義です。魯迅が個人主義者であったように」「実際の中国民衆は手に負えないほどの個人主義者であると思います。魯迅が『砂のようだ』と言ったのもそこでしょう。砂のようであるというのはある種の絶望と手強さです。自民族に対する手に負えなさを『砂のようだ』と言ったのではないでしょうか」(P.181-182)。


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# by thessalonike5 | 2013-03-06 23:30
辺見庸の尖閣論(2) - 尖閣問題の本質は領土ではない
b0090336_17202536.jpgもう一度、辺見庸の尖閣論についての記述を書き出そう。「中国は1949年の建国以来、領土問題では一寸たりとも譲歩したことがないという自負もあり、尖閣問題でも軟化は絶対にありえないだろう」(P.31)。「針の頭ほどの領土でも中国の人は自分たちの領土だと言い張るだろうとは思っていました」「およそ、領土について、外交交渉の外縁のところで彼らは逡巡しない」「中国という国は、領土となると信じられないくらい熱をおびる」(P.172)。この指摘は正しいと言えるだろうか。これらは「中国の領土論」として、つい頷いてしまう言説ではある。しかし、その表象の納得には、アヘン戦争以来、列強によって領土を蚕食され国富を略奪された中国の苦い屈辱の歴史があり、という前提が入るはずだ。外からの他国の侵略に対して神経過敏にならざるを得ない大国の古傷という事情があり、そうした特性を踏まえた上で、領土問題における中国の生理を一般論として言えば、それは内在的で妥当な説明になるだろう。そうした前提抜きで、頭から中国の大国主義を非難する口調で、中国の領土不寛容性向を言い上げるのは、安直な床屋政談であり、マスコミや右翼による誹謗の常套句と変わらないものと言える。実際に、ロシアとの国境画定交渉では、領有をめぐって紛争した大ウスリー島を面積で折半するという合理的妥協で決着させている。辺見庸は、そうした中国の領土政策の実績を承知しているのだろうか。


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# by thessalonike5 | 2013-03-05 23:30
辺見庸の尖閣論 - その中国批判の誤認と偏見と混乱
b0090336_16183154.jpg辺見庸の新著『国家、人間あるいは狂気についてのノート』を読んだ。ほとんどが一度読んだことのある文章で、『生首』や『眼の海』に所収されていた詩も多く再録されている。重複している。鵜飼哲との対談が載っていて、これは初めて見るものだった。そして、対談を含めて、内容のかなりの部分を中国関係の論考が占めていて、尖閣問題についての辺見庸の認識が示されている。読みながら、正直なところ、違和感を感じるところが多かった。尖閣問題の見方として、中国政治論として正確と思えない認識や主張が随所にある。現在の右翼化の政治状況を考え、また辺見庸の影響力を考えると、無視して放置するわけにはいかない。対談の中の発言を引用しよう。「結論から言うと、僕が完膚なきまでに太刀打ちできないと思ったのは中国だけです。つまり、国家概念というものが、中国という事実と、我々が考えるネーションというあらまほしきイメージとが比較にならないほど違うのです。(略)僕はあの国だけとは喧嘩しようとは思いません。事実のレベルが違う。中国は日本に対して戦争を構えていると思うんですよ。いわば戦争という破滅を前提とする発想があるのです。その発想と、日本が掲げる『何年か遡れば領土の正統性はこちらにあるんだ』という理屈、このレベルの違いには恐ろしいものがある。彼らにとっては正統性なんて問題ではない。(略)つまり、滅亡を組み込んでいるということです」。(P.168-169)


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# by thessalonike5 | 2013-03-04 23:30
韓国憲法前文、三・一独立宣言書、1995年の村山談話
b0090336_18453792.jpg大統領就任式があった2/25、朴槿惠と麻生太郞の会談が持たれたが、そのときの内容について、朴槿惠から「歴史を直視し、過去の傷が癒やされるよう努力し、被害者の苦痛に対する心からの理解が必要だ」との発言があったと韓国大統領府が説明している。日本のマスコミは、麻生太郞の会見にフォーカスし、「竹島問題や従軍慰安婦問題には直接言及しなかった」と報じ、「未来志向での協力関係」を朴槿惠が強調したという説明に終始した。かなり都合よく解釈していて、すなわち歪曲と逸脱があり、事実が正しく伝えられていない。あとで気づいたが、この「歴史を直視し、過去の傷が癒やされるよう努力し、被害者の苦痛に対する心からの理解が必要だ」の文言は、どうやら意味が深くて、単に従軍慰安婦の問題を示唆しているだけでなく、村山談話の誓言をトレースした含意があることが分かる。村山談話には、「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします」と書いている。つまり、韓国政府は、1995年の村山談話が日韓関係の基本なのだと言い、この認識を忘れないようにと日本に要求を発したのだ。
 

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# by thessalonike5 | 2013-02-28 23:30
竹島問題の解決 - 歴史ではなく地理、国際法ではなく心
b0090336_15151450.jpg前回の記事で、竹島問題の解決策として、二つある島を日本と韓国で分け合い、竹島の真上を通る斜め45度の線を日韓のEEZ境界線にして日本海を二等分すればよいという提案を述べた。これは、最初にゴールを示した方が解決策として説得的なものになるからであり、両国の国民が最終的に合意して納得できる「引き分け」の構想だからだ。竹島で注目するべきは、過去の歴史の重箱の隅ではなく、むしろシンプルにその地理的位置である。竹島問題のソリューションのキーは、歴史ではなく地理にある。そう私は直観し確信する。竹島(独島)は、見たとおり、日本と韓国の本土から約200キロ離れた洋上に孤島としてあり、どちらの国からもほぼ等距離の地点にある。この偶然の自然的事実こそ、まさに問題を解決する天佑の条件であり、神が与えてくれた幸運と考えるべきなのだ。しかも、島が二つくっついて仲良く並んでいる。二者間のトラブルをイーブンな解決に到達させる絶好の条件が天賦されている。竹島の位置と地形は神が決めたものであり、人の手で動かすことができない。なぜ、この点にわれわれは着目しないのか。神の叡慮と恩恵の前に謙虚になろうとしないのか。神が裁き、二国の平和と幸福のために下した判決を、素直に受け入れて妥協しようとしないのか。二つの島を挟む水道を国境とする形態は、ベーリング海峡の大ダミオード島と小ダミオード島を米露(米ソ)で線引きした先例がある。倣ってよい。


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# by thessalonike5 | 2013-02-27 23:30
「竹島の日」を考える - 1990年代のナショナリズム台頭
b0090336_15595325.jpg先週(2/22)、松江で開催された「竹島の日」の式典がネット動画で中継されていて、それをずっと見入っていた。夜のテレビの報道では、島尻安伊子の挨拶がクローズアップされ、他には溝口善兵衛の式辞が少し放送されただけで、一見したところオフィシャルでパブリックなイメージが演出されていたが、生中継で見た式典の実相はそれとは全く違っていて、恐るべき右翼の集会そのものだった。来賓の議員で挨拶したのは、自民の山谷えり子、維新の西村真悟、民主の渡辺周、みんなの三谷英弘。地元議員として竹下亘、亀井亜紀子、細田博之も演壇に立った。山谷えり子の話もおぞましい内容だったが、戦慄させられたのは西村真悟の過激な右翼アジテーションで、あのような狂暴無比な右翼の扇動演説が、島根県主催の公式行事の空間で堂々と放たれ、何の咎めも逡巡もなく式典が進むことに、身も心も凍りついて恐怖に震える思いをさせられた。まさに公共社会の政治常識のバリアーが破られている。会場の2階客席から演台を撮影するネット動画のマイクには、周辺にいる出席者の音声が拾われる。西村真吾のアジテーションのとき、最も大きな拍手と歓声が上がり、来賓の挨拶が右翼的に過激な調子を帯びたほど、会場も熱く歓呼して同調の声を上げていた。島根県の草の根右翼が結集している。まさしく右翼が叫喚する祭典だ。それを、こともなげに県知事と県職員が県行事として遂行している。


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# by thessalonike5 | 2013-02-25 23:30
安倍晋三の御用新聞となった朝日 - 紙面も大きく右旋回
b0090336_16495158.jpg気温は低いが、陽射しに春の温もりがある。季節が春に近づいていることを感じさせる。しかし、気分は凍てつき暗く閉ざされていく一方だ。希望が見えない。今日(1/21)の朝日の1面は安倍晋三の単独インタビューがトップに出て、「TPP交渉参加に意欲」と見出しが踊っている。安倍晋三が、朝日を使ってTPP参加の方針を国民にメッセージした。読売や日経ではなく。最近、若宮啓文を退任させた後、朝日の社長が安倍晋三と会食するなど不穏な動きがあったが、それを裏付けるように朝日の紙面がガラッと変わり、安倍晋三を翼賛する話題と論調が目立つ。若宮啓文が主筆になった2011年以降、朝日が少し品質の安定を取り戻しつつある気配が感じられたが、このところめっきり右傾化の度を強め、記事の内容も粗雑で軽薄になっている。安倍晋三に媚びへつらい、安倍晋三の政策をヨイショする記事ばかりが満載だ。経済政策だけでなく、安保外交政策についても批判的な記事は全くない。TPPについても、TPP推進の旗を振ってきたのは朝日ですと言わんばかりの得意顔が透けて見える。中国叩きの過激さについてはNHKと同じだ。とうとう安倍晋三のマスコット・ペーパー、御用新聞になってしまった。インタビューは4面に要旨を載せ、1面にその要旨の要約を短く書いているだけで、朝日の視点からの解説はない。4面の要旨の中身は、録音を朝日が纏めたというよりも、安倍晋三サイドから文章が丸ごと提供されている。


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# by thessalonike5 | 2013-02-21 23:30
「三本目の矢」の欺瞞 - 古舘伊知郎のネオリベ礼讃
b0090336_1722847.jpg安倍晋三が日米首脳会談でTPP参加表明をするかどうかが焦点になっている。一部に、その場で参加表明という情報も出ているが、会談後の3月に正式表明という見方が多い。12月の政権発足当時には、7月の参院選後とする予想が支配的だったことを考えると、かなり米国から圧力がかかり、日程が前倒しになったことが窺える。当初1月訪米だったのが2月に延期されたのは、このTPP参加問題を調整できなかったことが響いている。仕切り直しをして、3月の参加表明を前提にした会談で決着させたのだろう。自民党の中はTPP反対組が多く、議員は割れていて、民主党政権時代と似た様相を呈している。安倍晋三自身はTPP参加に賛成であり、側近やブレーンもTPP推進派で固めている。コメ、小麦、牛肉、乳製品、砂糖の5品目を聖域として例外品目にするという具体的な案も出始めた。自民党内の反対派議員の数は233人、一方、賛成派の議員は35人。数の上では反対派が多いのだが、マスコミはこの勢力比を報道で強調することなく、参加表明へ急ぐ政権やその背中を押す財界の動きばかり捉え、それを積極的にフォロ-している。議員は無視に近い。特に朝日とテレ朝がそうだ。また、民主党時代のように党内対立をクローズアップした報道もせず、TPP賛成は議論不要の定まった国論であるかのごとき態度で、全マスコミが一致して安倍晋三にTPP参加の決断を迫っている。


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# by thessalonike5 | 2013-02-20 23:30
TPP参加とトレードオフの円安容認 - 強いドルへの回帰
b0090336_1493322.jpg一昨日(2/17)に放送されたTBSサンデーモーニングの中で、出演した田中秀征が「安倍首相はよくやっている」と言い、「国会答弁を見ていても、慎重な安全運転に徹している」と評価していた。幸田真音は「民主党政権が終わってよかった」とまで言っていた。支持率が高いので、マスコミに登場するキャスターや論者は、このように安倍晋三を持ち上げて追従を言う。古舘伊知郎が典型だ。その報道が世論に反映し、さらに支持率を上げるスパイラルを作る。支持率が高く出るのは、株高や円安の動きが続き、景気が好転しているような空気が充満しているからだと言えるが、どうやらそれ以上に中国艦のレーダー照射があり、北朝鮮の核実験があったからのように思われる。右翼化した国民意識を刺激する安全保障系のニュースが発生する度に、極右の安倍晋三の支持率が上がる現象が起きる。12月の選挙で自民や維新が勝利した構図と同じだ。それが故に、政権側が意図的に中国を出汁に使って危機を煽り、国民敵としての中国を利用するポピュリズムを増幅する。もう日本の国内ではこの動きを制御できる力は働かなくなっていて、中国と北朝鮮を敵視しながら右翼政権を引き立てる報道しかないし、マスコミもネットも国会もその意見だけしかない。先進国の言論環境とはとても思えない薄っぺらな状況になっている。多様性がなく、批判性がない。


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# by thessalonike5 | 2013-02-19 23:30
六カ国協議の真実 - 米国はなぜ外交に敗北したのか
b0090336_17293232.jpg昨夜(2/13)、田中均が報ステに出演し、北朝鮮に対して臨検と金融制裁が行われるだろうという見通しを述べていた。今回の事態は新しいフェーズに入ったもので、米国のみならず日本にとって重大な脅威だから、一段レベルを引き上げた措置である臨検と金融制裁が必須であり、それに中国を協力させることが必要なのだと言う。一昨日も、昨日も、テレビ報道の解説は、この国際政治の動向を客観的に整理、考察するジャーナリズムの提供ではなく、北朝鮮に対する非難と糾弾のアジテーションの散布のみに徹している。登場する論者も、武貞秀士とか、森本敏とか、田中均とか、政府で政策に関与してきた権力的高官ばかりで、上からの説諭に終始し、辺真一のような民間のジャーナリストが顔を出す場面がなく、下から収集分析した情報と見解が紹介されるということがない。番組のスタジオが完全に国家機関と化し、国家による洗脳目的のプロパガンダで塗り潰されている。結論は一つで、日米同盟絶対論の確認と回収だ。戦時中そのものの暗黒報道。おそらく、韓国のマスコミはもう少し中身のある情報を伝え、多角的で立体的な報道を提供しているのだろう。私は、日本のマスコミの論調とは全く異なる見方をし、別の予測を持っている。北朝鮮が何を考えているのか、緊張を孕む中国と北朝鮮との間で事態がどう動くのか、この二日間の報道を見ながら、何となく見えてきたものがある。キーワードは六カ国協議だ。


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# by thessalonike5 | 2013-02-14 23:30
北朝鮮の核実験 - 米国の外交敗北と韓国の責任放棄
b0090336_16173531.jpg昨夜(2/12)のテレビ報道は、どの局も北朝鮮の核実験のニュースで時間を埋めていた。他にも大事な問題があるのに、無用にこの問題ばかりで割いていた感がある。北朝鮮と中国への敵意を煽り、確固たる信念になるまで刷り込み、日米同盟への忠誠と信仰を固めるためだ。特にNHKのNW9は、事実について追跡した報道の要素は全くなく、まるでネットの右翼番組のように、大越健介と森本敏が掛け合いのプロパガンダをやっていた。テレ朝の報ステの方は、NHKに較べると中身があり、中国が米国と北朝鮮との間に入り、交渉の仲介役をしていた事実を伝えていた。これは韓国のマスコミが調べて得た情報で、ソウルの特派員が生放送で紹介した。中国が米国の代理人となって北朝鮮を説得し、その交渉が時間切れとなり、春節のタイミングを選んで北朝鮮がドカンと花火を打ち上げた恰好になる。思い出せば、7年前の2006年にも、北朝鮮は米国の独立記念日にミサイル発射で挑発してきた過去があった。北朝鮮的なブラックジョークの政治をしている。金正恩は父親を模範にして、今度は中国の新政権に面当ての肘鉄を食わせたのだろう。習近平も、ケリーも、北朝鮮と外交を手合わせするのは最初の機会だ。挨拶代わりの一発と言うか、甘く見られないように居丈高に出たというのが真相と言える。それは、対する習金平もケリーも同じ立場だったに違いなく、特に習近平の方は容易に妥協しなかったに違いない。


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# by thessalonike5 | 2013-02-13 23:30
新鮮に感じた華春瑩の日本批判 - 中国と日本の今後
b0090336_1884838.jpg昨日(2/8)行われた中国外交部の華春瑩の発言に対して、私は何を感じたかと言うと、正直なところを言うと、非常に新鮮なインパクトを受けた。新鮮な感動を受けたという言葉にしてもいいかもしれない。無論、彼女の主張を全面的に支持するわけではないし、政治的な意図を分析する必要はあるし、レーダー照射が事実か否かという点については、私は事実だろうと判断する。しかし、華春瑩の言葉は、今回のレーダー照射問題の核心を衝くものであり、まさに日本政治に対する当を得た批判なのだ。もっと言えば、勇気ある真剣な批判なのである。リスクをテイクした上での率直で大胆な批判だ。誤解を恐れずに敢えて告白すれば、日本人である私は、中国人の華春瑩に代弁された気分を感じ、それがテレビで日本中に発信されたことである種のカタルシスを感じる部分がある。「日本側は中国の脅威を誇張して緊張を作り出し、国際世論を間違った方向に導いている」「中国側は対話と協議を通じて問題を解決しようと努力してきたが、日本は多くの船や航空機を出動させる行動をエスカレートさせている」「最近、日本は危機を煽り、緊張を作り出し、中国のイメージの貶めを図ろうとしている。このやり方は日中関係改善の努力に反する」。ストレートにこうした批判が与えられるべきなのだ。華春瑩のこの言葉は、単に日本政府と日本国民に向けて発せられたものではない。米国と韓国の政府と世論が意識されている。


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# by thessalonike5 | 2013-02-09 23:30
レーダー照射と対中開戦準備 - 安倍晋三の一石三鳥
b0090336_18164247.jpg昨夜(2/7)、テレビ報道で衆院予算委での質疑の映像が切り取られ、安倍晋三が次のように発言する場面が繰り返し流された。「中国側の今までの外交のやり方は、一点、関係が悪化をすると全てが止まっていく。それは間違っている」。NHKの7時のニュース、BSフジのプライムニュース、NHKのNW9、テレ朝の報ステ、全部で4回見たような記憶がある。午後11時以降の日テレ、TBS、フジの番組でも同じカットが挿入されたに違いない。おそらく、官邸(「領土・主権対策企画調整室」)からテレビ各局幹部に通達があり、この発言の場面を必ず放送するよう指示があったのだろう。今、事実上の「政府大本営」ができていて、テレビ報道はその管理下に組み込まれている。戦時体制が敷かれている。安倍晋三は予算委の答弁で「これは宣伝戦だ」と隠さず言い、積極的に「敵」に攻勢をかける姿勢を示した。ナチスがゲッベルスを使って始めたプロパガンダの手法を、中国との外交戦で駆使し応用するという意味だ。情報工作の正当化である。日本の最高政治指導者の立場で、中国の対日外交をバッサリ斬り捨て、全面否定する発言は、予め周到に準備したもので、中国と国際社会へのメッセージであり、国民に対する教宣の刷り込みに他ならない。「中国=悪」というシンプルな定義を国会で宣言し確立した。マスコミは全社がこの定義を前提にした報道に徹していて、昨夜の古舘伊知郎の過激な非難罵倒がまさにそうだった。


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# by thessalonike5 | 2013-02-08 23:30
レーダー照射の謀略 - 海自はどこで何をしていたのか
b0090336_17513886.jpgレーダー照射の件、小野寺五典の発表から一日経ち、安倍晋三による周到な世論工作の性格がかなり明確になってきた。当初のマスコミ報道では表に出なかったが、中国艦からのレーダー照射は過去に何度もあり、民主党政権時だけでなく小泉政権の時代から起きていた事実が発覚している。2005年9月、海自のP3Cが東シナ海ガス田付近の上空でレーダー照射を受けた問題が報道に出て、野党だった民主党が国会質疑に取り上げて政府答弁で確認させている。それによると、最初にレーダー照射があったのは2005年1月で、9月は二度目となる。当時は、小泉純一郎の靖国参拝問題で日中関係が険悪化していた時期であり、その動きに伴って東シナ海ガス田の共同開発が頓挫した経緯があった。ネットに出ている情報だけで、小泉政権時に2回、民主党政権時に複数回、今回と同じレーダー照射の事件が発生していたことが分かる。民主党政権下でのレーダー照射は、例の漁船衝突事件の後に起きていたもので、つまり、日中間が緊迫した時期に、両国の海軍(海自)が接触する海域で起きている。2/5の午後7時の記者会見の際、小野寺五典は記者から「これが最初か」と質問されたのに対して、過去にもあったとは正答せず、「全体を通しても、きわめて特異的な事例」だと言葉をはぐらかしていた。<過去にはなかったことだ>という衝撃的な印象を国民に刻み込むのが狙いだったのだ。


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# by thessalonike5 | 2013-02-07 23:30
レーダー照射の政治 - 緊張を高める安倍晋三の一策
b0090336_18182768.jpg中国のフリゲート艦が海自のヘリと護衛艦にレーダー照射した問題について、最初に考えなくてはいけないのは、1/30に発生した事件をわざわざ1週間後の2/5に発表したという事実だ。1/19のヘリへのレーダー照射からは2週間以上経っている。しかも、小野寺五典による発表の時刻は狙いすましたかのように午後7時で、NHKのニュースでの中継を作為した計画的なものだった。これは政治だ。目的は日中の緊張を高めることで、この政治ゲームで日本側が主導権を握り直すことだ。日本側は対立を激化させる方向に持って行こうとしている。中国側は首脳会談で尖閣を棚上げするところに目標を置き、緊張を解消する着地へと外交を動かしている。両者の意思と目的は全く異なる。説明するまでもなく、安倍晋三と右翼は改憲のために尖閣危機を煽っているのであり、日中が平和友好の方向へ進むことを欲してはいない。一方、1月下旬以降、鳩山由紀夫と山口那津男の訪中があり、中国側による外交攻勢が続いていて、中国側が尖閣外交のイニシアティブを握り、紛争解決に向けての環境作りの気運を盛り上げつつあった。さらに米国務長官にケリーが就任、米国の東アジア外交における中国重視・日本軽視の意向が鮮明になり、尖閣をめぐる日中の関係も次第に中国側の影響力に傾く趨勢と局面に変わりつつあった。焦った安倍晋三は、事態挽回のために一撃を入れるべく、1/30と1/19の事実を持ち出し、政治的反撃に出たのだ。


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# by thessalonike5 | 2013-02-06 23:30
峯岸みなみの事件 - 暴力団的作法と空気の日常感化
b0090336_17165655.jpg先週末に世間を騒がせたAKB48の峯岸みなみの事件について、私が持った感想は少し独自で、マスコミやネットでも意見として出ていない。それは、端的に言えば、ヤクザの臭いがするというものだ。丸坊主になってネット動画に姿を曝した本人も、それを取り囲んで笑いながら撮影している仲間たちの表情も、そこに漂うものは、暴力団の習性と綱紀と態度である。丸坊主にしたのは、情報では本人の意思によるものということだが、中身は制裁であり、制裁の苦痛を覚悟して組織にしがみつこうとする本人の受忍が真実なのだろう。行為としては、暴走族の少女集団やその周辺でよく見られた「根性焼き」のパターンの延長であり、もっと古典的な類例を言えば、小指を包丁で切断する「エンコ詰め」の制裁儀式を想起させるものだ。頭髪を丸刈りにすることは身体的苦痛はないだろうが、女性でもあり、精神的苦痛は言語を絶するものがあり、丸坊主姿で号泣しながら謝罪するという恥辱的な動画が半永久的に残され、繰り返し再現される蓋然性を考えると、暴力団員の末端が小指を詰める自傷の私刑とよく類似している。20歳の峯岸みなみは、一生、この過去と傷を背負って生きていかなくてはいけない。これは、やはり半強制の暴力行為であり、集団による制裁行為(リンチ)だと言うしかない。本来、警視庁が捜査に動くべき問題であり、起訴するかどうかは別にして、AKB48の楽屋の中で何があったかを事情聴取して調べるべき事件だろう。刑事事件だ。


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# by thessalonike5 | 2013-02-04 23:30
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