本と映画と政治の批評
by thessalonike5
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アフリカ開発会議の欺瞞 - リターンをもたらさない放漫ODA
b0090336_1623392.jpg横浜で開かれたアフリカ開発会議で、安倍晋三が5年間で1.4兆円のODA(政府開発援助)を実施すると発表した。この政策についてマスコミは、もっぱら中国との対抗上必要という論調で報じ、政府の主張をそのまま記事やニュースにして流している。中国との支援競争という背景が強調され、「敵に遅れをとるな」という理由だけが前面に押し立てられて政策が積極的に意義づけられ、1.4兆円という膨大な税金の支出が正当化されている。マスコミはODAについては一度も財源について言わない。財源が何かを説明しない。マスコミだけでなく、萱野捻人のようなタレント論者も、社会保障については「財政を圧迫するから削減しろ」とか「増税で財源を作れ」と言い、不人気な政策を国民に迫る「不利益の分配」の時代だと言う。社会保障の充実を要求する左派は時代遅れだと論難し、竹中平蔵的な「聖域なき」「小さな政府」こそ正しい路線だとテレビで言い散らすのだが、ODAのバラマキについては「小さな政府」や「不利益の分配」の対象外らしい。平気で捨象する。今の日本の言論において、財政赤字の要因になっているのは社会保障だけで、だから生活保護の削減は当然視されるのだが、ODAやIMF救済(4兆8000億円)や東電救済(3兆9000億円)については、全く責任を負わされない。財政難が深刻化して国債に危機が迫っているにもかかわらず、ODAの青天井の方は逆に拍車がかかっている。


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# by thessalonike5 | 2013-06-03 23:30
橋下維新のバブル崩壊 - 橋下徹を絶賛していた萱野稔人
b0090336_14481989.jpg経済ではアベノバブルが崩壊を始めたが、政治では橋下徹と維新のバブルが崩壊しつつある。昨日(5/30)は大阪市議会で問責決議案の騒動があった。一昨日(5/29)は大阪弁護士会の有志が懲戒処分を請求、6月の訪米も中止に追い込まれた。5泊7日の訪米費用480万円のキャンセル料として180万円が発生し、これを公費で支出する橋下徹に対して市民グループが住民監査請求に踏み切る動きとなっている。形勢挽回を狙った5/27の外国特派員協会でのパフォーマンスは失敗に終わり、海外からの批判と冷視の反応を受け、日本のマスコミも右倣えで橋下徹を叩く態勢に変わっている。5/13の慰安婦暴言の発端から2週間余り、橋下徹は傷口を深くして自滅の坂道を転がり落ちている。2週間後の6/14には都議選が告示される。もともと、橋下徹がこの時期に訪米の日程を入れたのは、維新の支持率が低下して情勢が思わしくない都議選に、自ら応援に入って傷がつくのを嫌がったためだった。橋下徹は、訪米キャンセルで空いた身をどうするのだろうか。都議選の維新は、橋下徹が応援演説に入っても惨敗だろうし、入らなくても惨敗だろう。そしてマスコミは、維新敗北の主因を慰安婦暴言のためだと指弾し、橋下徹を責任追及する記事を書くに違いない。都議選で惨敗して、橋下徹がカメラの前で弁解するのが6/23、そこから10日後の7/4に参院選が告示される。


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# by thessalonike5 | 2013-05-31 23:30
慰安婦問題の今後 - 中韓米の歴史検証プロジェクトへ
b0090336_166898.jpg慰安婦問題はこれからどうなるのだろう。今回は、矢面に出て騒動した橋下徹が叩かれ、国際社会から大きな非難を浴びる顛末となった。5/27の外国特派員協会の会見とその後の反応を見るかぎり、海外のプレスのこの問題に対する認識は一致していて、各国各社の間で特に大きな隔たりはない。それは、この問題で各国政府のが発したコメントに温度差がないのと同じである。海外からの批判を代表するものとして、5/16の米国務省のサキの「言語道断で侮辱的」がある。サキの批判は、単に米軍への侮辱に対してだけでなく橋下徹の慰安婦認識に対しても向けられていて、「性を目的に人身売買された女性たちの身に起きた出来事は嘆かわしく、とてつもなく重大な人権侵害であることは明白だ」と断言した。これが米国政府の慰安婦についての公式な歴史認識だ。ロシア外務省の報道官は、5/23、橋下徹の暴言事件に言及し、「日本の政治家が第2次世界大戦中、多くの国の女性に慰安婦となることを強要した恥ずべき行為を水に流すような言い訳をした。橋下徹氏の発言は特に厚顔無恥だ」と厳しく批判している。フィリピン外務省の報道官は、素早い反応で5/15に声明を発表し、「当時の日本軍の暴行にかかわる慰安婦問題は女性の名誉と尊厳への深刻な侮辱だ」と言っている。政府の公式コメントではないが、インドネシアの英字紙が厳しい批判の社説(5/15)を出したことも特筆される。


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# by thessalonike5 | 2013-05-29 23:30
韓国と左翼を叩いて加害責任を曖昧にする大沼保昭の欺瞞
b0090336_14204498.jpg週末(5/25)から、江川紹子がネットに上げた大沼保昭のインタビューが話題になっている。大沼保昭は、1995年に発足して2007年まで活動した「女性のためのアジア平和国民基金」の呼びかけ人で理事だった人物だ。橋下徹の暴言によって慰安婦問題が政局の中心に浮上し、世界中から注目される騒動になりながら、日本のマスコミは、慰安婦問題についての過去の経緯を全く説明しない。1990年代は、あれほど資料映像を見せて詳しく紹介していたテレビ報道が、2007年もそうだったが、今回はそれ以上に客観的な説明をせず、右翼のプロパガンダばかりを電波で流している。そうしたテレビの悪質な「報道」に比べれば、この江川紹子の記事は意味のあるもので、「女性基金」を初めて知ったという若い世代も多いかもしれない。その点は評価に値するだろう。だが、週末のTWで連打して警鐘を鳴らしたきたように、この記事とインタビューはきわめて問題が多く、世論工作の意図が潜んでいる疑いを禁じ得ない。最初に直感を言うなら、これは、日本政府(官僚)が裏で動いている政治工作だ。不思議なことに、偶然なのか、大沼保昭は5/26のフジの新報道2001にも映像で登場した。その発言内容は、江川紹子のインタビューと同じで、慰安婦問題の解決を遠のかせ、基金事業を失敗に追いやったのは、韓国と日本の左翼の強硬論だったという主張である。


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# by thessalonike5 | 2013-05-27 23:30
1996年のクマラスワミ報告と2007年の米議会下院決議
b0090336_1659754.jpg今から17年前の1996年、国連人権委員会にラディカ・クマラスワミの報告書が提出されている。報告書は従軍慰安婦を性奴隷であると明確に規定、女性の人権の擁護と個人補償を訴え、以下の具体的措置を日本政府に勧告した。(1)日本軍によって設置された慰安所制度が国際法違反であることを認め、その法的責任をとること。(2)日本軍性奴隷制の被害者個々人(元慰安婦)に対し、原状回復と賠償を行うこと。(3)慰安所について、日本政府が所持するすべての文書を完全に開示すること。(4)名乗り出た日本軍性奴隷制の女性被害者(元慰安婦)個々人に対し書面による公的謝罪をすること。(5)歴史的現実を反映するように教育内容を改めること。(6)慰安所への募集及び収容に関与した犯行者をできる限り特定し、かつ処罰すること。以上。従来、「従軍慰安婦」と呼ばれてきた問題と対象が、国際社会の中で「性奴隷」となった画期は、この1996年1月のクマラスワミ報告と、それを受けた国連人権委員会の同年4月の決議だろう。以降、クマラスワミ報告が基準として定着し、この問題が国際社会で議論されるときの判断軸となっている。NHKや右翼は、韓国が資金を撒いて米国でロビー工作に勤しんでいるから、慰安婦問題で日本が不利な状況になっているのだとプロパガンダを刷り込んでいるが、17年前の国連人権委員会で、言わばこの問題についての国際法が確立しているのである。


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# by thessalonike5 | 2013-05-22 23:30
日本軍戦時性暴力の加害者像を「おしん」から説明する
b0090336_1611723.jpg従軍慰安婦とは何であったのか、それを考えるときに参考になる資料がネット上にある。米国で制作された「Rape of Nanking」の映像だ。ラウン・ジョセフの監督。英語版は2006年11月にアップロードされ、200万回再生されている。日本語版は2007年11月のアップロード。この35分間のPart.1の映像の中で、松井石根の上海派遣軍が上海を攻略した後、南京に進撃するまでの地獄の状況が説明されている(14:00-17:00)。蘇州攻略の件でナレーションがこう語る。「集落は夜襲され、放火され、逃亡する者は容赦なく射殺されました。老女も、少女も、乳児を抱えた母親も、すべて強姦され、奇形(?)にされ、生きたまま焼き殺されました。若く美しい女性は、日本兵や将校たちの慰安婦と給仕婦にするため、南京への行進に同行させられました。こうした中国人女性は、100人以上の日本兵に強姦された後、殺されたり、道路沿いに捨てられたりしました。中国人を大量に殺した兵士には慰安婦が与えられました」。吉見義明の岩波ブックレット『日本軍「慰安婦」とは何か』を読むと、慰安所の施設は日中戦争の拡大に伴って広範に設置され、その目的の一つは強姦の防止だったと指摘があるが(P.8)、開戦の当初、まだその施設が十分整備される以前、中国を侵略した日本軍の「慰安婦」の実態はこういうものだったのである。つまり、ここに「慰安婦」の原型がある。まさに性奴隷だ。


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# by thessalonike5 | 2013-05-21 23:30
国内と海外で乖離する一方の慰安婦問題の認識と態度
b0090336_16354826.jpgマスコミの中で、橋下徹の慰安婦暴言問題について、毎日と朝日の2社だけが世論調査を発表した。共同は、再稼働については質問して数字を取りながら、なぜか橋下徹の慰安婦の件は調査していない。愕然とさせられる。2社のうち、毎日の方は調査も報道もアグレッシブな印象だが、朝日の方は何やら腰が引けていて、紙面での扱いが小さく、編集部が注力していない気配が窺える。橋下徹にあれだけ侮辱され愚弄されながら、ペンで反撃しようとする姿勢がなく、正論を唱えて世論を動かそうとしていない。弱腰が見え見えだ。どうやら、朝日の内部に橋下徹を擁護する者がいる。編集部内が割れている。だから、こんな中途半端な世論調査報道になるのだ。東京新聞は、一貫して橋下徹を糾弾する論調で記事を書いているが、独自の世論調査の数字を示せないため、ペンの力を政治的威力にすることに限界がある。共同の体制から脱け、自前の世論調査の機構整備に動くべきだ。このところ、共同の右傾化と存在感の希薄化が目立つ。嘗ての中央公論の衰滅を連想させる。テレビの世論調査は現時点では出ていないが、今週もこの問題が政局騒動の中心になる以上、いずれは世論調査を出さざるを得ないだろう。数字を出すときは、橋下徹を叩き落とす姿勢を明確にせざるを得ない。客観的には、橋下徹は泥沼に嵌って自滅に向かっている。


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# by thessalonike5 | 2013-05-20 23:30
詭弁で逃げつつ論理破綻し、四面楚歌となった橋下徹
b0090336_1622932.jpg橋下徹がフジのワイドショーに生出演し、開き直りの詭弁をまくしたてていた。フジは、視聴率稼ぎの動機と、橋下徹に弁明の機会を与えて失地回復させる作為で、積極的に橋下徹を番組に出演させようとしている。今後、プライムニュースや新報道2001へ橋下徹を引っ張り出す可能性がある。無論、それは安倍晋三の差し金で、「慰安婦の強制連行はなかった」「強制連行の事実はないのに日本が反論しないから世界から叩かれる」という、右翼のプロパガンダの散布と扇動が狙いだ。橋下徹の話では、現在、外国人特派員協会からオファーが来ていて、それに応じると言っていた。そこでの質疑応答でまた一悶着の幕があるだろう。訪日した元慰安婦との対面に応じた場合は、修羅場の応酬になることは避けられない。右翼側(安倍晋三)の目論見どおりに、橋下徹が騒いで政局を慰安婦問題の坩堝にし、国内の認識と世論を右へ寄せることができれば成功だが、現状を見ていると、その作戦は裏目に出る公算が高い。5年前に稲田朋美が映画「靖国」の上映中止問題で騒動して、逆に返り討ちに遭った失敗劇を思い出す。傍目に見れば、橋下徹は泥沼にはまっていて、詭弁の言い逃れの破綻がどんどん露呈し、マスコミから公然と非難を浴びる悪役に変わっている。衆目の中で開き直りの強弁をすればするほど、傷口を深くするピエロの構図が明瞭だ。


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# by thessalonike5 | 2013-05-16 23:30
橋下徹は謝罪せよ - 社説で沈黙したマスコミも謝罪だ
b0090336_15381274.jpg橋下徹の暴言から2日経った今日(5/15)になって、新聞各社は一斉に非難の社説を上げている。まさに全員が右へ倣えで付和雷同の極致だ。書いている内容もほぼ同じ。この問題に関して短い社説を上げるのに、論説者が何か確認や分析をする作業は要らないだろう。重要なのは、厳しい口調で渾身の筆誅を加えることだ。報道に携わる者としての、もっと言えば、市民としての良識を直截に示すことである。事件が起きた翌日(5/14)に新聞の社説で批判が上がらず、漫然と全員が見逃したことは、まさに痛恨の一時であり、日本のジャーナリズムが機能不全に陥っていることの証左に他ならない。北海道新聞も、琉球新報も、信濃毎日新聞も、中日新聞も、この暴言を黙過した。波紋が広がり、世界中から集中攻撃されるようになった後で、全社が横並びで同じ中身の社説を上げても、それは論説として何の価値もない。この国の真の異常は、5/13の橋下徹の暴言だけでなく、5/13夜と5/14朝のマスコミ論説の沈黙だ。論説者が普通の市民の感性を持っていれば、橋下徹の暴言を目の当たりにして、翌日の社説で黙っているということはできなかったはずである。それは、車にはねられた人を助けず、見て見ぬふりをして立ち去る卑劣な行為と同じだ。問題は、論理ではなく倫理なのである。言葉が重要なのではない。説明や啓蒙ではない。知識の提供でもない。言語道断の拒絶の態度と糾弾の意思を示すことなのだ。


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# by thessalonike5 | 2013-05-15 23:30
橋下徹の慰安婦暴言の政治 - 安倍晋三とマスコミの反韓戦略
b0090336_16562843.jpg昨日(5/13)、橋下徹による従軍慰安婦の暴言が出た直後、TWに、日本のマスコミはこの問題について、海外の視線に耐える論評の報道をせよと書いた。転写すると、「今夜のテレビのニュースと明朝の新聞で、日本のマスコミが、橋下徹の『慰安婦は必要だった』という暴言をどう報じるかは、世界中が注目する問題だ。日本の報道の中身が(橋下徹の暴言以上に)海外で詳しく紹介される。見ているのは、国内の視聴者や読者だけじゃないぞ」。私と同じように、韓国や米国の報道各社の駐在記者が、昨夜の日本のテレビ報道と今朝の新聞論説を注視したに違いない。しかし、結果は誰もが唖然とさせられるものだった。先に新聞の方から言うと、朝日も毎日も社説・コラムで取り上げていない。昔のソ連のタス通信よろしく、「論評抜きで事実のみを」淡々と伝えているだけだ。中日新聞(中日新聞)でさえ社説を書いていない。中日の社説は「振り込め詐欺」の名称変更問題だ。これには絶句させられる。NHKのNW9の対応と処理は、右翼偏向の大越健介の編集だから、予想どおりと言えなくもなかったが、報ステの恵村順一郎がこの問題に一言も触れなかったのには驚愕した。意図的にこの事件を小さな扱いにして、天気予報前に流して済ませていた。それを見てイヤな予感がして、まさかと思ったが、不安的中で、日本の新聞全社がダンマリを決め込んでいる。橋下徹の暴言に対して、当日(5/13)、何も批判せず素通りした。


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# by thessalonike5 | 2013-05-14 23:30
安倍晋三を擁護し韓国叩きに狂奔する大越健介の偏向
b0090336_1654279.jpg米議会調査局が日米関係に関する報告書を出し、安倍晋三の歴史認識を批判した件、昨夜(5/9)のNHK-NW9で放送されたが、その冒頭、大越健介は次のように言った。「中国や韓国との歴史認識をめぐる軋轢、米国を巻き込んで問題が複雑化し始めています。安倍内閣は、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明するという点で、歴代内閣と同じ立場であることを繰り返し強調していますけれども、中韓両国は、その部分についてはなかなか耳を傾けようとはしません」。これを聞いて私は唖然としたが、この説明は安倍晋三の代弁そのもので、最初から中韓両国の批判を不当で過剰だと切り捨ている。安倍晋三を無条件に擁護するものであり、安倍晋三の歴史認識には一点の非もないという報道だ。まさに、反町理やビートたけしと同じ、右翼のプロパガンダそのもの。米国ですら、中韓と同じ姿勢で日本の歴史問題に懸念を示しているにもかかわらず、中韓の主張に一分の理も認めず頭から否定している。こうした見解が、果たして放送法で中立と公平を義務づけられた報道と言えるだろうか。問題は、安倍晋三の詭弁をそのまま公共放送で念押しし、それを国民の常識として刷り込もうとする大越健介の狡猾な手法である。安倍晋三の立場は決して歴代内閣と同じではないのだ。歴代内閣と同じではないから、中韓から批判され、米国からも警告を受けているのである。


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# by thessalonike5 | 2013-05-10 23:30
オリバー・ストーンとマイケル・ムーアで1万人の護憲集会を打つ
b0090336_17345439.jpg参院選まで残りあと2か月。都議選まで1か月。都議選の投票日の6/23までの間に、憲法96条改定に反対する1万人集会を打つ必要がある。都議選は参院選の前哨戦であり、当然、この問題に有権者の関心が集まり、事実上の争点になるだろう。96条改定の是非を先行的に問い、安倍政権の信認を問う選挙になると予想される。1か月間の準備で1万人集会を成功させること、そして、96条改定に反対する国民の意思をマスコミに示威すること、それは、そんなに難しいことなのだろうか。小森陽一が新聞に漏らした発言を聞くと、悲観論や消極論ばかりが色濃く出ていて、課題に挑戦しようという前向きな闘志が感じられない。それは残念で不満なことだ。9条の会は、まさに護憲リベラル勢力の前衛のはずだ。今、最も危機感と使命感に燃えて、活発に運動していなければいけない集団である。地方紙のほぼ全てが、社説で96条改定に反対の声を上げ、安倍政権の改憲の動きに抵抗の論陣を張っているとき、9条の会の事務局長たる者が、無力感を漂わせた弱気な愚痴をこぼすようではどうしようもない。むしろ、現在は護憲派の好機であり、国民の関心が憲法に向けられ、憲法の精神や制定過程に注目が集まっているときだ。マスコミや出版の世界を制圧している右翼的な現憲法否定の言説や俗論に対して、正論で対峙し反撃すれば、国民が耳を傾けてくれる論争のときである。闘いのときだ。


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# by thessalonike5 | 2013-05-09 23:30
憲法96条の政治戦 - 好機に護憲派は何をしているのか
b0090336_1515258.jpg今年のGWは、憲法96条改定の政治戦がキックオフされた1週間だった。テレビ各局の報道は、NHK(特に大越健介のNW9)を中心に怒濤の勢いで96条改定を正当化し、安倍晋三の積極発言を前面に押し出して、これを肯定する世論固めに躍起になっていた感がある。NHKやフジの手法を一瞥すると、この世論操作には二つの特徴があることが分かる。一つは、とにかく安倍晋三の映像でニュース番組をジャックし、世間で支持率の高い人気者の安倍晋三が96条改定に意欲的なのだから、安倍晋三の政策主張はことごとく正論であり、国民はそれに右倣えして追従するのが正しい判断だと吹き込む報道攻勢である。シンボルとしての安倍晋三を振り回し、「将軍様」として絶対化した安倍晋三の表象に全ての政策の正当性を吸収し、「将軍様」の威光を国民に照射し発散する形で、96条改定を説得するという方法だ。これは、特にNHKが強力に推進している工作の手口である。株価が下がったときはテレビで報道しない。株価が上がったときは、必ず大々的に報道し、アベノミクスの恩恵だと祝福する。安倍晋三の政策はこんなにも正しく、国民を幸福に導く神業だと繰り返し訓導する。その宣伝工作の反復と固定によって、安倍晋三の支持率の維持を図る。安倍晋三にとって不都合で不具合な情報、例えば朴槿惠による右傾化批判の発言などは、公共の電波から排除し、国民の耳には触れさせない。


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# by thessalonike5 | 2013-05-08 23:30
安倍晋三が企画・脚本・主演の醜悪な「国民栄誉賞」儀式
b0090336_1457633.jpg安倍晋三が背番号96をつけて始球式のパフォーマンスをやり、国民栄誉賞を私物化した問題について、それを正面から批判している新聞記事を見ない。残念と言うよりも絶望的な気分にさせられる。5/5の東京ドームの中継映像は、金正恩のサッカー観戦とか遊園地視察を喝采する北朝鮮の民衆と、それを絶叫調で賛美している北朝鮮中央テレビの報道と同じものだ。全体主義国家のグロテスクな個人崇拝の絵である。日本は北朝鮮と同じ国になっている。否、北朝鮮の方が、まだ日本より理性の救いがあると言えるかもしれない。北朝鮮の民衆の場合は、それをエキストラ動員の義務でやっていて、独裁者への歓呼は、自らの本意ではない強制の演技だからだ。日本の場合は、それが全体主義国家の政治ショーであるという認識がない。薄々自覚がある者も、言論の自由があるのに口に出して言わない。この授賞式と始球式は、読売の渡辺恒雄も関与しているが、ほぼ全てが安倍晋三本人の企画立案によるものだろう。安倍晋三の幼稚さやバカさ加減がよく現れているし、安倍晋三の愚民観が露骨に滲み出ている。おそらく、松井秀喜の引退セレモニーの計画の時点で、国民栄誉賞を絡めた人気取りのパフォーマンスの介入を工作し、長嶋茂雄とペアにする政治イベントの演出に仕立てたのだろう。それなら背番号96をと、悪乗りに出たところが安倍晋三らしい。


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# by thessalonike5 | 2013-05-07 23:30
危機の中の憲法記念日 - 対立の構図が先鋭になる96条改定
b0090336_16422670.jpg今年の憲法記念日(5/3)は、近年になく憲法論議が盛り上がった一日だった。来年の憲法記念日はどうだろうか。来年の今ごろは、この改憲の政治に結果が出ている。可能性は三つある。第一は、7月の参院選で改憲勢力の3分の2を阻止し、彼らの野望を封じて憲法を靖んじている場合。第二は、参院選で改憲派の3分の2を許し、発議にかけられながら、国民投票で切り返して憲法を死守した場合、第三は、参院選を突破され、さらに国民投票も破られ、落城して改憲を果たされた場合。三つのうちどれかだ。第三の境遇の中で1年後を迎えることだけは、何としても避けなくてはいけない。政治の構図はきわめて明確になってきた。東西両軍が集結して陣を配置する関ヶ原の歴史が想起される。いつもは改憲なのか護憲なのか釈然とせず、曖昧模糊に口を濁す朝日が、そして毎日が、96条改定に反対の旗幟を鮮明にした。地方紙はほぼ全紙が社説で96条改定に反対の論陣を張っていて、中日新聞(東京新聞)は9条改定に反対だと堂々と訴えた。地方紙の社説の筆に、一戦を前にした真摯な緊張感が漂っている。安倍晋三が参院選で争点に据える公約に対して、朝日と毎日と地方紙が反対の姿勢を示したわけで、朝日と毎日は、自らの主張の正当性を参院選の結果で証明しなくてはならない。参院選の投票日は7月下旬。発議から60-180日で国民投票となる。1年後は決着がついている。勝っているか負けているかだ。


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# by thessalonike5 | 2013-05-04 23:30
96条改定とポピュリズム - 世論調査は慎重論が多数
b0090336_15592689.jpg憲法記念日を前に、朝日が憲法96条改定についての世論調査を発表した。今日(5/2)の新聞1面トップに載っている。それによると、反対が54%、賛成が38%。反対が多数の結果が出ている。また、9条改定の賛否についても、反対が52%、賛成が39%となり、反対が賛成を上回った。安堵させられる数字だ。2週間ほど前だったか、報ステで96条改定をめぐる政局が話題になったとき、解説の恵村順一郎が毅然とした態度で反対だと言い切り、憲法改正要件のハードルを下げることは、時の権力の恣意によってなし崩し的に憲法が変えられる恐れがあると正論を放っていた。通常の朝日らしい曖昧模糊としたアクロバティックな詭弁ではなく、主張が明確だったため、これは近々に世論調査で持説(社論)の正しさを証明する報道に出るのだろうと期待したが、予想したとおり、憲法記念日のタイミングで数字を出してきた。古舘伊知郎が、「憲法96条についてはどう思われますか」と恵村順一郎に振ったとき、私には正直なところ不安があった。その理由は、NHKが4/8に報じた世論調査では、改定に賛成が28%、反対が24%と、賛成が上回っていたからである。世論情勢や安倍政権の支持率を見て、口を濁してくるのではないかと案じたのだ。反対だという断言が飛び出して心強い思いをしたが、世論調査に一抹の不安もあった。しかし、それが杞憂であったことは、検索で読売の世論調査を見て判明するところとなった。


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# by thessalonike5 | 2013-05-02 23:30
猪瀬直樹のイスタンブールへの誹謗は計画的なものだ
b0090336_16124144.jpg猪瀬直樹によるイスタンブール(トルコ)への誹謗中傷の件、推測していたとおり、NYTへのインタビューは猪瀬直樹側が申し込んで実現したものだった。NYTの紙面を使って東京五輪の広報宣伝を狙ったもので、場所も都側がホテルの部屋を用意して記者を招いている。4/16のことだ。NYへの出張は4/14-4/19、1週間の長い滞在で、NHKを筆頭に日本のマスコミが張り付き、都バスの24時間運行やら何やら、猪瀬直樹のために御用報道にいそしんでいた。テレビと新聞の面々がゾロゾロと大名行列で随行している。彼らにとって、気候のよい季節の1週間のNY観光旅行なのだ。社の経費で好きなだけ飲み食いし、猪瀬直樹が「NYで東京をPRしている姿」なるものを、日本の視聴者に刷り込むべく素材を撮って本社に流すという、ただそれだけの気楽な貴族仕事。猪瀬直樹にとって、他の日本の保守政治家にとっても同じだが、マスコミ関係者というのはそういう身内のお供だから、NYTの記者の前でイスラム批判の持論を説教してやれば、その趣旨をきれいに記事にしてくれるものと錯覚していたのだ。だが、NYTの記者は日本の腐ったマスコミ貴族とは一味違っていた。猪瀬直樹の辛辣なイスラム批判は、本人が弁解しているように、雑談で偶発的に飛び出したものではなくて、予め猪瀬直樹がメッセージとして用意していたものだ。この真相を推理するためには、インタビューの前日(4/15)に何があったかを思い出す必要がある。


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# by thessalonike5 | 2013-05-01 23:30
猪瀬直樹の失言問題 - 政治家に歯止めをかけない日本のマスコミ
b0090336_17552628.jpg猪瀬直樹がトルコのイスタンブールを誹謗中傷した件、まず、4/27付のニューヨーク・タイムズの記事の原文を確認しよう。"Tokyo’s Bid Chairman Tweaks Others"(東京五輪招致委員長が他都市を揶揄)と題した記事の中に報道で指摘された問題の部分がある。競技者にとってベストな場所はどこかと尋ねられた質問に対して、こう答えている。"Well, compare the two countries where they have yet to build infrastructure, very sophisticated facilities. So, from time to time, like Brazil, I think it’s good to have a venue for the first time. But Islamic countries, the only thing they share in common is Allah and they are fighting with each other, and they have classes.” 訳すと、「インフラがまだ建設されてない国、十分に洗練された設備のない国、それら二つの国と(東京を)較べて下さい。まあ、ときには、ブラジルのような国が最初に開催するのもいいですよ。でも、イスラムの国々というのは、彼らが共有しているのはアラーの神だけで、互いに争いばかりしている。それに(そこには)階級がある」。インタビューでの発言と記事発表の間に、NYTと猪瀬直樹サイドで調整があった様子で、猪瀬直樹側が、「最初に五輪を開くイスラム国という理由だけで、選考で優位になるのはおかしい」という趣旨で、上の発言をしたのだと釈明を入れている。が、この言葉がイスラム教国(トルコ)に対する蔑視と誹謗であることは歴然だ。


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# by thessalonike5 | 2013-04-30 23:30
日経と米国に逆ギレを叱責され韓国に完敗した安倍晋三
b0090336_15552552.jpg今週は靖国問題で揺れた一週間だった。そして、日韓関係が重大な外交危機を迎えている。余震が続いていて、4/28の「主権回復の日」に尾を引きそうで、何か不吉な予感がする。安倍晋三の卑小で倨傲な性格を考えると、韓国に一矢報いたい衝動に駆り立てられ、また、国内の右翼を煽るポピュリズムの動機と手口で、再度、何か挑発をやらかすかもしれない。昨日(4/25)、駐韓日本大使が韓国外交部に呼び出され、靖国参拝や歴史認識で厳重抗議を受けた問題について、NHKはニュースで全く放送しなかった。報ステは、数秒間の映像のみをコメントなしで伝えただけだった。論評なしで。まるで昔の社会主義国の報道のようだ。日本の大使が現地政府から召喚を受け、抗議と譴責を受けることは多くない。しかも、韓国は重要な隣国であり、この問題はきわめて重大な国家的事件だが、NHKは無視と黙殺を決め込んだ。安倍晋三の外交失態であり、大きく報道すれば安倍政権の支持率に影響が及ぶからだろう。今、テレビ報道は完全に官邸が仕切っていて、安倍晋三に批判や疑問が向けられる内容の情報は電波に乗らないコードになっている。さすがに、新聞だけはそうもいかないようで、今日の朝日毎日日経が社説で取り上げている。今週、朝日は3回(4/23、4/24、4/26)もこの問題を社説にした。毎日は2回(4/23、4/26)。この朝日の社説は、朝日の靖国への基本認識が分かりやすく纏まっている。安倍晋三の愚行への批判としても的確だ。
 

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# by thessalonike5 | 2013-04-26 23:30
安倍晋三の靖国挑発外交とその暴走を援護するマスコミ
b0090336_1446829.jpg靖国問題が急転回を遂げ、大きな国際問題に浮上する情勢となった。昨日(4/24)、参院予算委の答弁で、安倍晋三が中韓からの反発に対して、「国のために命を落とした英霊に対して尊崇の念を表することは当たり前であり、わが閣僚においてはどんな脅かしにも屈しない」と傲然と開き直り、質問した議員に向かって、「靖国神社で英霊に対してご冥福を祈る。それを批判されることに対して何も痛痒を感じない方がおかしい」と逆ギレして言い返す一幕があった。これは、中国と韓国に対する明かな挑発行動であり、ナショナリズムを扇動する目的で故意にやっている政治だ。こうやって、あたかも韓国・中国が不当に日本を非難して圧力をかけているような構図を演出し、国民の安倍晋三への同情を誘い、韓国・中国への敵愾心を増幅させ、その感情的効果と勢いで靖国の正当化を国論に固めようとしている。靖国参拝正当化の正面突破を図る博打の政治であり、5月の日中・日韓首脳会談開催の失敗を隠蔽するカムフラージュの権謀工作でもある。支持率70%の自信がこの暴走を促している。昨夜のテレビ報道を注視していたが、NHKのNW9(大越健介)は、例によって安倍晋三を翼賛する立場で、安倍晋三の右翼的主張を擁護し宣伝するニュース映像に仕上げ、視聴者を洗脳する中身でこの問題を詳報していた。ところが、テレ朝の報ステはベタ扱いでコメントも入れず、TBSのNEWS23もきわめて小さな扱いで済ませていた。


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# by thessalonike5 | 2013-04-25 23:30
靖国問題 - 国内問題を外交問題にスリ替えるマスコミ
b0090336_143345.jpg麻生太郞ら閣僚3人に続き、昨日(4/23)国会議員168人が靖国神社に参拝して、夜のテレビのニュースとなった。過去最多で昨年(2012年)の2倍の数であり、朝鮮日報は「日本の政界の右翼化傾向を示すもの」と書いて警戒感を示している。朝鮮日報の見方に私も同感する。参拝後、高市早苗は、「日本の国策に殉じて尊い命を捧げた方を、どのように慰霊するかは日本国内の問題だ。外交問題になる方がおかしい」と堂々と言い、その映像が報ステで流れた。奇妙なことに、ニュースはこの高市早苗の発言で止まり、古舘伊知郎が5秒間ほど沈黙する映像が出て、番組は次のニュースに移った。まるで、高市早苗の主張がこの問題に対する番組としての総括であり、視聴者に向けての立場表明であるかのような編集と演出になっていたのだ。通常の進行であれば、ここで古舘伊知郎が横の解説者に振って意見を促す。4月からコメンテーターに異同があり、三浦俊章が降りて恵村順一郎が座っている。朝日の論説の年功順送り人事だ。だが、昨夜は、この重大な政治事件にコメントを入れず、高市早苗の言葉に朝日は反論しなかった。視聴者の多くは意外で不満に感じただろう。右翼は朝日の従順ぶりに満足を覚えたに違いない。本来、正面から批判すべき右翼発言に対して批判しない。座視し黙認して素通りさせる。こうした一つ一つが、まさしく右傾化の事実過程なのだ。


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# by thessalonike5 | 2013-04-24 23:30
ベアテ・シロタ・ゴードン『1945年のクリスマス』を読む(3)
b0090336_18112432.jpgマッカーサーは、何故このようなラディカルな憲法草案を作成したのか。その理由についてベアテも著書の中でよく説明しているが、まず、ジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』(下巻)から引用をしよう。「第一は、日本国民からの脅威である。高野(岩三郎)や共産党の憲法草案に具体化された『共和』思想は、時が経つにつれて強力になるだろう。第二は、諸外国からの脅威である。連合国陣営のなかには天皇に強く反対する国々が存在し、近いうちに憲法改正の諸条件に干渉するようになるだろう」(P.133)。マッカーサーの方針は、徹頭徹尾、天皇を温存し、天皇を利用して占領政策を有効に進めるところにあり、連合国の中で天皇制の廃止を要求するソ連や豪州の介入を排除し、彼らの機先を制して自らの思惑どおりに戦後日本の国家体制を固めることを急いだ。天皇を守り抜くこと、それがマッカーサーの動機であり決意に他ならない。極東委員会・対日理事会の活動が活発になり、影響力を拡大する前に、ポツダム宣言の要請に沿った憲法改正を確定させる必要があった。占領軍に対する諮問委員会である極東委員会は、2/28にワシントンで発足する日程になっていた。2/1、すなわちベアテらの起草作業開始の3日前、マッカーサーは部下の報告から、極東委員会が始動すれば、日本の憲法改正の権限はマッカーサーから対日理事会(米英ソ中)の手に移るという情報を得ていた。また、1月初旬、ワシントンからもマッカーサーに対して、天皇制の廃止を含む急進的な憲法改正を勧告する極秘電報が打たれていた。


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# by thessalonike5 | 2013-04-22 23:30
ベアテ・シロタ・ゴードン『1945年のクリスマス』を読む(2)
b0090336_17501153.jpgタイトルが「1945年のクリスマス」となっている理由は何か。ベアテ・シロタのこの著作を紹介している情報は多いが、題名の由縁を説明した記事は少ない。この自伝は、1945年の12月24日にベアテが5年ぶりに日本に帰国したプロローグから始まる。GHQ民政局の職員公募に応募して採用され、NYからサンディエゴ、ハワイを経由し、さらにグアムから厚木へと飛び、日本の地を再び踏んだ日が1945年のクリスマス・イブだった。つまり、作品の構成として、プロローグの場面がタイトルになっているのであり、読者の関心を惹き寄せ、意外な題名の意味を教える形で叙述が始まる工夫になっている。クライマックスは第5章の「日本国憲法に『男女平等』を書く」で、90頁(P.128-219)が割かれている。そこまでは、東京での少女時代やSFでの学生生活が回顧されているが、憲法草案に至る助走路として飽きさせない。これも本を読んで初めて知ったが、ベアテは、ロシア語、ドイツ語、フランス語、英語、日本語の5か国語に堪能な、恐るべき多言語能力のカリスマだった。両親がキエフ出身のユダヤ系ロシア人で家庭ではロシア語、生まれて5歳までウィーンに暮らし、東京に来てからは大森のドイツ人学校に通い、小学校まではドイツ語の教育環境で育っている。13歳から中目黒のアメリカンスクールに移り、16歳からSFのカレッジに留学して英語環境となる。
 

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# by thessalonike5 | 2013-04-19 23:30
ベアテ・シロタ・ゴードン『1945年のクリスマス』を読む(1)
b0090336_17154337.jpgベアテ・シロタの『1945年のクリスマス』を読んだ。GHQ民政局内部における1946年2月の憲法草案作成過程が生々しく描かれ、ドキュメンタリーとしてスリリングに再現されていて、興奮しながら一気に読み上げることができる。ご一読をお薦めしたい。この本は題名で損をしている。「1945年のクリスマス」、このタイトルの響きでは、本の中身がGHQの憲法草案の歴史を書いたものだと分かっていても、そのテーマのイメージが稀釈され、憲法とは無関係な私的なエピソードが綴られた本ではないかという予想に導かれやすい。この本を読む者は、基本的にベアテ・シロタが何者か知っていて、憲法草案起草に果たしたベアテの役割をよく知っている者だ。それらの情報はネットにも載っているし、憲法に関連した多くの記事や議論ですでに目にし耳にしていて、敢えて本人の著書を繙くほどの新しい発見があるのだろうかという後ろ向きな気分にさせてしまう。ベアテ・シロタの人物についても、すでに概略を知っていて、わざわざ自伝を読むまでもないのではないかという先入観を持っている。そこに、「1945年のクリスマス」という意外な題名が入って来ると、積極的に食いつこうという動機が心理的に殺がれてしまうのだ。ということが、どうやら私の中ではあり、結局、ベアテ・シロタの死と改憲の政治的土壇場という状況が切迫するまで、定価1748円の本を買って読むという行動を起こせなかった。


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# by thessalonike5 | 2013-04-18 23:30
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読む(3)
b0090336_13264965.jpg村上春樹の新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は、遂に80万部の発行部数となった。が、書店では品切れ状態が続いていて、週末(4/20)まで入荷がないなどという情報もTWで流れている。村上春樹の作品が売れることは嬉しい。それは、自分の人格が普遍的に拡大していることを意味しているように思える。と、そう私は数年前に言った。しかし、今は少し違う。眼前のフィーバーは嘘くさい。村上春樹の新作を読む娯楽と祝祭の空間に積極的に参加し、自ら市場の過熱を煽る末端を受け持ちながら、逆に喪失感と疎外感を禁じ得ない。今の「村上春樹の作品」は、あまりに消費される商品でありすぎる。昔は、これほど大衆商品的な存在ではなかった。村上春樹の作品は、何かどんどん薄っぺらなものになり、市場化され商品化される中で、本当の価値のない軽いものになっている。昔のMSのWindowsとか、今のAppleのiPhoneとか、そんな無意味なクズ商品の一つに成り下がったようで、正直なところ面白くない気分でいる。この新作は商品だ。論じる前に「読め読め」であり、とにかく「買え買え」である。私が、2回の記事の書評で抵抗を試みたのは、この商品が「読め読め」「買え買え」と浮かれて騒ぐ価値があるものなのかと言いたかった所為もある。今回、三省堂の神田神保町本店が「村上春樹堂」の看板を設えて商戦を盛り上げ、そのプロモーションをマスコミが取り上げて話題にした。


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# by thessalonike5 | 2013-04-16 23:30
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読む(2)
b0090336_1515736.jpg新刊の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は、現在、多くの書店で品切れになっていて、入手が困難になっている模様だ。Amazonのサイトを見ると、中古出品に1900円の値段がつけられている。定価は税込みで1785円、初日に抜け目なく店頭で買い、一気に読み、ネットで売り捌いたら儲けが出るという異常な状況。発売前に50万部を刷りながら、発売2日で書店分は売り切れとなった。本の帯に、村上春樹のインタビューの言葉が載っている。「ある日ふと思い立って、机に向かってこの小説の最初の数行を書き、どんな展開があるのか、どんな人物が出てくるのか、どれほどの長さになるのか、何もわからないまま、半年ばかりこの物語を書き続けました」。やはり、ストーリーについて精密な構想を立てず、全体のプランを設計せずにアドリブで書いている。だから、書き出しが抜群によく、前半に面白さが凝縮され、後半の進行に従って流れが澱み、物語の世界が小さく萎れる作品になったのだ。イントロと、それからつくるの体重が激減して形相が一変する懊悩の描写は、小説というよりも完成された詩の表現そのものだ。だが、例えば、名古屋でビジネスセミナーの会社を経営するアカ(赤松)が登場する場面となると、描写が単調で、そこに文学的な観察や想像力の厚みが乏しく、村上春樹が多くを準備せずに、経過点としてこの章を書き流していることを感じる。


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# by thessalonike5 | 2013-04-15 23:30
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読む(1)
b0090336_1794756.jpg村上春樹の新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』について、早速、書評を試みたい。(1)ストーリー、(2)ラブシーン、(3)表現、(4)同時代認識と舞台設定、(5)商品としての村上春樹、等々、感じたところを述べたいが、論理的に整理できた意見になるかどうかは自信がない。また、以下はいわゆる「ネタバレ」になるので、その点をご容赦いただきたい。まず、率直な感想から言うと、前半はとてもスリリングで面白く、村上春樹の作品らしく、冒頭から読者を引き込み、幾筋もの謎が仕掛けられる。ドラマの展開に期待が膨らんでいく。しかし、後半、謎解きの段になると、物語の厚みが次第に薄くなり、期待が充たされず不満感が残る結末となる。これは、『1Q84』でも同じ感想を持たされた。中途半端で物足りなく、敢えて悪く言えば支離滅裂な、破綻と言えば大袈裟だが、物語全体が挫折し萎縮した印象を受けるのである。『海辺のカフカ』ではそれはなかった。物語の進行を追うほどに、オーケストラの交響楽のようにボリュームが大きくなり、クライマックスで最高潮に高揚し、フィニッシュのカタルシスは言いようもない至福感を残した。感動の余韻が尾を引き、翌日も心が痺れたままの状態が続いて、マスコミ報道を含めて頭が日常空間の情報を寄せつけなかった。圧倒的な精神の動員と興奮と昇華の体験だった。そして、村上春樹は2006年にフランツ・カフカ賞を受賞、ノーベル文学賞に最も近い世界的な売れっ子作家になる。


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# by thessalonike5 | 2013-04-14 17:07
「立憲主義」の言説が幇助する橋下徹の憲法論のデマ
b0090336_17204868.jpg憲法改定の動きが活発になり、96条改定をめぐる論議が佳境を迎えている。この情勢について観察と検討を加えたいが、まず、今日の天声人語に注意を惹く情報があった。橋下徹が自らの憲法観を維新の所属議員に次のように語っている。「憲法というのは権力の乱用を防ぐもの、国家権力を縛るもの、国民の権利を権力から守るものだ。こういう国をつくりたいとか、特定の価値を宣言するとか、そういう思想書的なものではない」。この見解を捉えて、朝日の論説記者は、「憲法とは何なのかというそもそもの問いへの通説的な答えである」と言い、「橋下氏のいう立憲主義的な発想は公明党も民主党なども共有するが、自民党はかなり異質である」と評価している。この議論の中に、いわゆる立憲主義の言説の問題性が端的に現れている点を指摘したい。ここで、朝日は明らかに長谷部恭男的な立憲主義の立場に立っている。そして、橋下徹の主張を自らと同じ立憲主義だと言い、「通説的」だと肯定している。さて、この認識は正当なものだろうか。考えなくてはならないのは、日本国憲法は、橋下徹の言うように、「こういう国をつくりたいとか、特定の価値を宣言するとか」を書いた文書ではないかということだ。前文を一読すれば答えは明瞭だろう。憲法は、戦争のない平和な国家を建設すると宣言し、高らかに平和主義を謳っている。平和憲法という代名詞が付される由縁だ。(橋下徹的な表現に即して言えば)明らかに「特定の価値を宣言」している。


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# by thessalonike5 | 2013-04-11 23:30
砂川事件と伊達判決 - 暴露された田中耕太郞の対米隷従工作
b0090336_17321018.jpg昨夜(4/8)のNHKのニュースで砂川事件に関する報道があり、当時の最高裁長官(田中耕太郞)が、上告審判決の見通しを駐日米公使と密談して伝達していた事実が暴露された。米軍駐留を違憲とした一審判決を破棄し、しかもそれを少数意見のない全員一致の判決で出すことを、米国側の要請に応じて最高裁長官が応諾していた。これは、当時の駐日米大使がワシントンの国務長官に送った公電から明らかにされたもので、元山梨学院大教授の布川玲子とジャーナリストの末浪靖司が米国立公文書館から入手した。きわめて重大な問題だ。司法権の独立を揺るがす由々しき問題だという批判が、水島朝穂などから上がっているが、司法権の独立以前に、日本国の主権の侵害であり、米国が最高裁判決を、しかも憲法判断を指図している。砂川事件は、憲法を学ぶときは必ず登場する事項で、高校の教科書にも出ていたし、特に大学の法学部に入った学生は、講義でこの裁判の過程を詳しく追いかけ、憲法9条と統治行為論を学んでいた。われわれの頃は、大学1年時に「基礎法学」の演習が必修であり、有斐閣の別冊ジュリストをテキストにして、憲法に関わる重大な戦後の事件と判例を学ばされた。だから、砂川事件と9条の問題とか、朝日訴訟と25条の問題とか、「チャタレー夫人の恋人」の表現の自由と公共の福祉の問題(21条)とか、ほとんど暗記するレベルまで叩き込まれて、専門用語を含む憲法論議を学生同士が日常会話で行うのが普通の風景だった。


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# by thessalonike5 | 2013-04-09 23:30
次のバブル崩壊のときは日銀が破綻し国債が暴落する
b0090336_1771570.jpg日銀がマネタリーベースを2年で2倍にする金融緩和政策を発表し、黒田東彦の会見(4/4)で、昨年末時点138兆円を2013年末に200兆円に、2014年末に270兆円に増やすとコミットしている。NHKをはじめとするマスコミは奉祝報道で埋め、「デフレ脱却」と「景気回復」を演出し、アベノミクスを礼讃しているが、この政策の具体的な中身を確認する必要がある。今回の金融緩和、日銀による市中への大量の資金供給は、実際には長期国債の保有額を増やすことによって実現される。ここがポイントだ。2012年末の日銀の長期国債の保有額は89兆円、それを現在の2倍の月7兆円ペースで買い続け、2014年末に2倍の190兆円にまで増やす。2年間で100兆円の長期国債を買う。2年間で増やす供給資金量132兆円の76%が長期国債の調達で賄われる計算だ。この手法は、リーマンショック後のFRBが実行していて、2008年から2011年のQE1-QE2によって合計9000億ドル(約85兆円)の米国債を買い取っている。FRBはQE1-QE2によって、住宅ローン担保証券の1.25兆ドル購入を含め、全体で2.3兆ドル(約220兆円)の資金供給をし、バランスシートを3倍に拡大させる挙に及んだ。FRBのバーナンキやIMFのラガルドが日銀の今回の措置を評価し、新自由主義者の集まりである市場の関係者が黒田東彦を絶賛するのは、市場がかねてより要請してきた米国FRBと同じ原理同じ手法の政策発動に日銀が踏み切ったからだ。


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# by thessalonike5 | 2013-04-08 23:30
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