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本と映画と政治の批評
by thessalonike5


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秘密保護法を招いた通路 - マスコミは政治報道の反省を
秘密保護法を招いた通路 - マスコミは政治報道の反省を_b0090336_16462066.jpg今日(12/10)の朝日の1面トップは、昨夕、安倍晋三が官邸で会見して秘密保護法の成立を釈明した件への批判記事となっている。安倍晋三が、秘密保護法について、「秘密の範囲は広がらない」とか、「通常の生活は脅かされない」と言い訳したのに対して、「根拠を示してない」と反論、「秘密指定の恣意性をどう防ぐかなどについての具体的な説明はなかった」と一蹴している。他紙の紙面は確認してないが、おそらく読売や日経の1面トップは別の内容だろう。昨夜(12/9)のNHK-NW9は、北朝鮮の張成沢失脚の事件を冒頭で紹介した。テレ朝の報ステは、江田憲司の離党会見とみんなの党の分裂がトップニュースだった。少し前の朝日なら、みんなの党の政局騒動をトップで報じたに違いない。ここ数日の朝日の紙面は、秘密保護法の報道に限っては、ほとんど東京新聞と同じ姿勢と論調になっている。12/8の1面で、東京本社編成局長の杉浦信之が社論を上げ、「私たちは今後も、この法律に反対し、国民の知る権利に応える取材と報道を続けていく」と書いていたが、その空気が編集部を包んでいることが窺われる。それともう一つ、この1面トップの編成には経営上の別の理由があって、秘密保護法に対して読者の関心が高いのだ。他のニュースよりも秘密保護法に関する記事を大きく扱い、大見出しにして売った方が、駅売りの部数が増えるのである。


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# by thessalonike5 | 2013-12-10 23:29
秘密保護法の成立 - 闘いは続く、政権を倒すときまで
秘密保護法の成立 - 闘いは続く、政権を倒すときまで_b0090336_1533534.jpg特定秘密保護法。成立はしたが、施行までまだ時間がある。勝負はこれからだ。問題は、単に第三者機関だけでなく、第12条のテロリズムの定義にあり、共謀、教唆、未遂、扇動も実刑になるという恐るべき人権弾圧の治安立法の本質にある。施行前の修正論議が浮上したときには、必ずマスコミが批判を再開し、同じ騒動の再燃となり、国民の反対運動も続いて政局となるだろう。今回は、会期末の強行採決で乱暴に幕を閉じる結末となったが、こんな常軌を逸した手法を何度も使えるとは思わない。法律の廃止または抜本改正を求める国民の声は、今回以上に高まると予想され、野党も簡単に納得了承することは難しいだろう。日弁連は諦めていない。12/6夜の日比谷野音の集会で、日弁連の海渡雄一は、もしこの法律が施行され、実際に最初の逮捕者が出た場合は、1000人の弁護団を編成して全力で弁護すると宣言した。このまま1年が経ち、法律の施行日を過ぎたとしても、現在の反対圧力の強さを考えれば、現実にどこまで実定法として機能し、当局が意図したとおりに運用を進められるか疑問だ。むしろ、次の選挙で政権を変え、この危険な欠陥立法を廃止せよという世論になるのが自然だ。1年経てば、選挙は2年後の日程となる。この法律が重要な争点になることは必至で、であれば、議論の中でこの法律は立ち往生の状態にならざるを得ない。


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# by thessalonike5 | 2013-12-09 22:30
秘密保護法反対のデモの日々 - ファシズムの下の東京
秘密保護法反対のデモの日々 - ファシズムの下の東京_b0090336_15531078.jpg週末からずっと秘密保護法反対のデモに出ている。11/30(土)は渋谷と原宿の街を歩く夜のデモに加わった。12/1(日)は、新宿西口での日弁連の街頭演説をIWJのネット配信で見たあと、渋谷駅前で抗議行動があったのでそれに駆けつけた。12/2(月)は、参院議員会館前で行われたキャンドル集会に参加した。頭数を作るためだ。後で後悔しないためだ。昨夜のペンライトでの行動は、1500人が集まったという数字が出ている。石破茂の暴言問題があったため、マスコミが注目して、夜のニュースに入れる素材を切り取るべく、カメラを担いだスタッフを出動させていた。日テレ、TBS、報ステの武内絵美など。しかし、この局面になってもデモの参加者の数は依然少なく、爆発的な盛り上がりに至らない。左派政党の動員にようやくエンジンがかかり始めたのか、婦人民主クラブとか、退職した元教組の先生たちとか、それと思しき人たちが詰めかけている。だが、それが主力になると、人に感動を与える絵にならず、平板で弛緩的なルーティンワークのマンネリ映像に止まってしまう。言いたいのはこういうことだ。昨年、6月の初めだったか、官邸前の反原発デモで感動的な映像がネットに流れた一瞬があった。参加者は、まだ1000人に届かない初期の段階だった。雨が降る中、30代の若い会社員の姿をした男女が懸命に「再稼働反対」を叫び、その絵をIWJが実況中継した。ほとんどの者が一人でデモに来ていた。


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# by thessalonike5 | 2013-12-03 23:30
秘密保護法成立まで1週間 - 議員会館前の格差社会
秘密保護法成立まで1週間 - 議員会館前の格差社会_b0090336_185077.jpg秘密保護法案の参院での可決成立まで、残り一週間の日程となった。前回の記事で、「一人一人が自分自身の抵抗の物語を紡ごう」と勇ましいことを書いたのだけれど、そのとき思い浮かんでいたのは、辺見庸が4年前にカミュの「ペスト」を用いて講釈した一節だった。2009年2月のETV特集で放送された「しのびよる破局」。そこで、医師リウーの「ペストと戦う唯一の方法は誠実さです」という言葉が引かれた。人間の誠実さだけがペストに打ち勝つことができる。ペストという破局を前にして、人は誠実さだけで戦い抜くしかなく、ペストを克服するためにはただ誠実であるしかない。秘密保護法という、われわれを破滅と絶望に追い込む悪魔との戦いも、同じなのではないかと、そういう発想が過ぎったのだ。誠実さと謙虚さだけが、この戦いに勝ち抜く唯一の方法で、自分たち自身を守り救う道なのであり、結局それしかないのだと諦観する。後悔を残すことのないように、法案の成立を阻むべく最後まで屈服せず抵抗を貫いたことを、自らが選択した物語として刻むこと。そういう一人一人になり、デモに出た場で、他者に感動を与え、他者から勇気をもらうこと。ここにも誠実に生きようとしている市民がいるのだと、発見をすることさせること。それを積み重ねられれば、自分や他者に対する信頼みたいなものができ、たとえ法案が成立して本物の地獄に投げ込まれても、そこで粘り強く生きる力を持つことができるのではないか。


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# by thessalonike5 | 2013-11-29 23:30
秘密保護法案の強行採決 - 悔いのない渾身の抵抗を
秘密保護法案の強行採決 - 悔いのない渾身の抵抗を_b0090336_16515914.jpg昨日(11/26)、特定秘密保護法案が衆院の特別委で採決され、本会議に上程されて賛成多数で可決された。朝、起きてPCを立ち上げ、Yahooのトップを見ると、本日中に採決強行という情報があり、NHKで特別委の審議の中継がすぐに始まった。審議と言っても、いつもと同じ調子でだらだらと質疑と答弁が進行し、見るに耐える議論にならず、セレモニー的アリバイ的に時間が流れ、見ると気が滅入るだけだ。委員会室に緊張感がまるでなく、本当にこの後、強行採決が行われるのだろうかと不審に思うほど、淡々と静穏に時間が潰されて行った。共産の赤嶺政賢の次に生活の玉城デニーの質疑があり、いずれも短い時間で処理され、安倍晋三が立ち上がって議場を出て行った。11時15分。その瞬間、NHKが中継を中断してスタジオにカメラを戻し、高瀬耕造が別のニュースの原稿を読み始めた。秘密保護法案とは全く無関係の話題だった。安倍晋三が席を立った後、中継が途切れる間際、民主の議員が何人か委員長の額賀福志郎を囲む場面が入ったが、まさか、そこからすぐに採決があるなどとは全く予想できなかった。安倍晋三は国会ではトイレが近いという噂がある。安倍晋三の生理的事情で中断したか、あるいは、午後の審議について野党の理事が委員長と協議しているのか、そんな感じに窺える風景だった。怪訝な気分なまま民放に切り換えると、11時30分からのニュースで採決が報道された。


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# by thessalonike5 | 2013-11-27 23:30
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