本と映画と政治の批評
by thessalonike5
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<   2012年 12月 ( 12 )   > この月の画像一覧
右傾化からファシズムへ - 暴力に恐怖する冬の時代へ
b0090336_17411592.jpg今日(12/26)で今年の記事は終わりとし、恐縮ながら一足先に冬休みを頂戴する。今年も、読者の皆様に支えられ助けられた。本当に心から感謝する。一年間、いろいろなことを書いてきた。官邸前デモについて、尖閣有事と日中衝突のシミュレーションについて、佐野眞一と橋下徹の部落問題について。本当は、今月(12月)は右翼と左翼の問題について政治学的に掘り下げ、丸山真男の8.15革命説の問題を検討したかったが、突然の解散と選挙があり、その情勢を追いかけるうちに時間を潰してしまった。来年の宿題になった。書きたいこと、閃いたことがありながら、それに手を着けられず、見過ごして後戻りできなくなってしまう。尼崎連続殺人事件もそうだ。この事件は、例えば佐野眞一のような作家が、詳しく調査探求して真実を究明し、人々にその意味を問うということはあるのだろうか。殺人鬼たちの加害責任はどう裁かれるのだろうか。断片的な事実が警察のリークでテレビに流されたが、事件の全貌を独自に構成して説明を試みたり企てたりしたジャーナリズムはない。そうした作品や営為が出現するかどうかも疑わしく思われる。私を含めて、この事件に感じるのは異様な恐怖であり、ある意味で、動機だの手口だのの詳細が情報提供されなくても、何が起きたかは一人一人が直観で分かっていることなのだ。むしろ、全貌が解明されたとしても、恐くてその本を読む気が起きないのではないか。


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by thessalonike5 | 2012-12-26 23:30
再稼働、生活保護、辺野古移設 - 名護市長選まで1年
b0090336_16534091.jpgNHKを筆頭に、安倍晋三がスピード感を持って政権始動をしているという政治宣伝をマスコミが流し、政権発足後の支持率を上げるべく世論操作に躍起になっている。80%の支持率を与え、「国民の期待の高まり」を大々的に報じ、それを中国や韓国に見せつけてやる魂胆なのだろう。内田樹は、「『国防軍』のようなタカ派的な発想や、『国土強靱化』を掲げて公共事業を増やすと公言したことで、支持率は落ちるのではないかと思います」と言ったが、世論調査の結果は全く違う方向に出そうだ。マスコミは、この間、安倍晋三の金融政策ばかりに注目し、「アベノミクス」などという滑稽で噴飯な追従語を与えて媚びへつらいに興じている。為替が円安に振れて企業が歓迎しているだの、株が上がって経済界が喝采しているだの、そういう奉祝報道ばかりを積極的に流し、新年は日本経済が好景気に包まれるような雰囲気を演出している。「安倍自民を選んでよかった」という気分に国民を誘導している。ネガティブな政策の話題は取り上げず、人々の注意を喚起しようとしない。安倍晋三は12/21、「2030年代中に原発稼働をゼロにする」とした民主党政権の基本方針の見直しを表明、また上関を含めた新規原発の建設を認める姿勢も明言したが、この問題を大越健介のNW9はニュースで扱わず、古舘伊知郎の報ステも批判を加えることなく黙過した。「世論調査」の妨げにならないようにするためだ。


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by thessalonike5 | 2012-12-25 23:30
国民は極右を選択した - 投票の動機はイデオロギーだ
b0090336_17261559.jpg一部に、今回の選挙結果は自民党の勝利ではなく、民意を得たものとは言えないとする説がある。東京新聞の12/18の1面記事や、それを援用した広瀬隆の主張がそうだ。他の左派系でも似たような見方がある。その根拠は、2009年の衆院選と較べても自民は比例で200万票も得票を減らしているという事実である。2009年の衆院選での自民の得票数は1881万票、今回は1662万票。2005年の小泉劇場のときは2589万票で、投票率の差異はあれ、確かに自民は得票数を落としている。今回の圧勝は小選挙区制のマジックの為せる業であって、真に国民の支持を得た結果ではないという説明だ。広瀬隆は、自民は比例では有権者全体の15.99%(投票数全体では27.6%だが)の得票率しかないのだから、「国民はこの政権を支持していないんだ」と断じている。東京新聞も、「自民党の勝利は、必ずしも民意を反映したものではない」とした。果たして、この議論は当を得た分析と言えるだろうか。自民だけに観察を集中して選挙結果を検証すると、こうした見方も可能ではある。しかし、今回は自民だけを見て論じてはならない。比例の二番手に維新が躍り出ていて、1224万票を集めている(得票率20.3%)。三番手の民主を300万票も上回る数字だ。自民と維新を合わせると2889万票で、得票率は48%という巨大な数字となる。つまり、選挙結果として正確な結論は、極右の大勝利であり、極右が比例得票で半数を制したという事実に他ならない。


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by thessalonike5 | 2012-12-20 23:30
米国が仕掛けた政変 - 米国の東アジア政策の錯覚
b0090336_18262787.jpg選挙の結果が何かというのは、票と議席の数だけでなく、選挙後にマスコミが発する言説とそこから派生する世論によって定義づけられる。早速、マスコミは情報工作に着手し、選挙後の政治の基本線を敷き固めるべく、この選挙の民意はこうだったと意味づける作業に余念がない。昨夜(12/17)、NHKの特番には、自民、民主、維新、公明の4党の幹事長だけが呼ばれ、選挙の総括と今後について討論がされていた。この4党以外は今後の政治のプレイヤーではないとNHKが認定し、報道からの弱小政党の排除を国民に知らしめている。2年前の参院選の翌日の特番では、影山日出夫がまだ生きていて司会を担当していたが、惨敗した共産と社民と国新の党首も呼んで円卓討論に参加させていた。「民主主義における少数意見の尊重」の原則に配慮した、影山日出夫らしい丁寧な演出と進行で時間が流れ、視聴者として納得させられる放送に仕上がっていた。往年の「固くて頭のいいNHK」を彷彿とさせられ、NHKが国民に信頼されていた頃を思い出した。影山日出夫が局内で謎の自殺を遂げた後、日曜討論を含めたNHKの政治番組はすっかり変わった。昨夜の番組では、視聴者が最も聴きたいところの、憲法改定と安保外交について触れなかった。金融政策や原発政策について表面を撫でて終わった。共産や社民を出演させなければ、憲法を話題にしなくて済む。NHKのメッセージは、「もう改憲の賛否討論は不要」なのだ。


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by thessalonike5 | 2012-12-18 23:30
参院選でも極右が圧勝する - 反中扇動に打つ手なし
b0090336_16175414.jpg予想どおりの選挙結果となった。自民294、民主57、維新54、公明31、みんな18、未来9、共産8、社民2。民意が示され、国民の審判が下され、改憲と国防軍については賛成、原発については推進、消費税増税については賛成、TPPについては参加、生活保護切り下げについては賛成、の民意が示された。しかも、自民と維新を合わせれば348議席の圧倒的多数であり、これらの政策を遂行する上で何の障害もない体制となり、3分の2の再可決権も握られている。マスコミは今後、原発と消費税について順次に世論調査を打ち、選挙前と世論が変わり、賛成派が多数になったことを国民に告げて行くだろう。これらの争点について決着がついたことを確定させ、蒸し返しさせないように固めて行くだろう。原発については、来夏以降、規制委に安全宣言を出させて順番に全国の原発を再稼働させて行く。安倍晋三が言っている「10年後にベストミックス」という公約は、例の寺島実郎の「原子力立国計画」のことで、3.11以前に国が決めた原発比率50%のエネルギー戦略の意味だ。上関の工事再開も含めて、新規の立地計画が策定され認可されることだろう。一つ言わせてもらえれば、今回の選挙における反原連の不感症と不作為には驚かされた。官邸の主が野田佳彦から安倍晋三に代わるという現実についての想像力の欠如に呆れる。野田佳彦と安倍晋三は人格が少し違う。「大きな音だね」で済むはずがない。


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by thessalonike5 | 2012-12-17 23:30
中国機の領空侵犯は選挙干渉目的の自衛隊の謀略だ
b0090336_14595872.jpg昨日(12/13)の中国機による領空侵犯事件、これは明らかに自衛隊による意図的な謀略工作で、選挙投票3日前というタイミングを選んで計画的に実行されたものだ。目的は、改憲と国防軍を公約している自民党を勝たせることである。中国の軍事的脅威を宣伝して煽り、国民に恐怖と憎悪の心情を炊きつけ、選挙での投票に誘導させる作戦に他ならない。ネット上の記事にあるように、2011年度、領空侵犯の可能性のあった中国機に接近に対して、空自は156回もスクランブル発進を対処している。この数は2日に1回のペースだ。中国機の領空接近と自衛隊機のスクランブルが行われているのは、主に南西諸島付近の東シナ海上空だと統幕監部が説明している。しかも、その中国機は情報収集機だと明言ている。つまり、昨日飛来した中国海監の小型機のことではないか。今日(12/14)の朝日の紙面記事にはこう書いている。「防衛省によると日本が設定する『防空識別圏』に入った中国機への緊急発進は急増している。08年度の31回、09年度の38回から10年度には96回に。11年度は156回で、中国機の集計を取り始めた01年度以降で最多を記録した」(11面)。2008年には北京五輪を妨害する右翼の反中デモ騒動があった。2010年には漁船衝突事件が起きた。この地域での中国当局機による領空接近は日常茶飯事の出来事で、その都度、那覇基地からF15が緊急発進し、防空識別圏から中国機を追い払っているのである。


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by thessalonike5 | 2012-12-14 23:30
北朝鮮のミサイル発射問題に関して - 深層の視点から
b0090336_16291777.jpg北朝鮮のミサイル発射問題について、マスコミの議論とは全く異なる観点から論じたい。最初に思ったことは、もし金正日が生きていたら、今回(12/12)の打ち上げはなく、また人工衛星の軌道進入もなかっただろうということだ。金正恩政権だから成功できた。今回の発射は、4月の失敗を挽回しようとするもので、2012年中を目標としていた「人工衛星打ち上げ成功」の国家プロジェクトを完遂させるためのものだ。それゆえに、ロケットの名称も4月に失敗した「銀河3号」をそのまま使い、人工衛星も「光明3号2号機」と銘じている。報道によると、北朝鮮は4月に失敗した6日後に原因の解明を終え、次の発射のため燃焼実験を繰り返していたという。金正日の独裁が続いていたら、責任者は即刻銃殺を免れず、開発チームは強制収容所送りにされていただろう。国家と独裁者の面子を潰して恥をかかせた責任を取らせたに違いなく、そうした恣意的で酷薄な厳罰で報復・加虐するのが金正日の性格と手法だった。今回、新政権は技術者に失地挽回のチャンスを与えている。同じ失態が二度続けば、世界中の笑い者になるところを、技術者を信頼して国家のリスクを賭ける選択に出ている。金正恩と金正日の指導者としての差異と見るべきで、北朝鮮の国家体質が合理的な方向に変化している点を感じてよい。それだけではない。北朝鮮は今年だけでミサイル開発に13億ドル(1100億円)を投入したと言われている。余裕があるのだ。


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by thessalonike5 | 2012-12-13 23:30
12/16以降の政治の暗黒 - 公明の背信、民主の崩壊
b0090336_1894434.jpg選挙の最終週に入ったが、マスコミの世論調査が伝える情勢予測に変化はない。自民圧勝で固まり、その勢いを強くしている。予想したとおりだ。週末(12/7-12/9)のテレビの党首討論も、これまで出た話の繰り返しで、新しい問題提起の登場はなく、情勢の流れに一石を投じるハプニングもなかった。視聴者には退屈な討論会に終始した。今週、マスコミの政治屋たちは第2次安倍政権の閣僚予想でもして、来週以降の報道商売のネタを仕込むのだろう。脱原発を旗印に立ち上げた未来の党は、毎日の予測では10議席以下、時事の予測では10議席程度の惨敗となっている。この結果は、選挙の民意によって脱原発が完全に否定される図式であり、選挙後にマスコミの論調が一変し、政府・規制委の方針が転換するのは確実だ。NW9の大越健介は、すでにこの「民意」を先取りした悪辣な報道に徹し、代替エネルギーのコスト負担が嵩むから原発で一定割合を埋めて当然だと言い続けている。今回、議席を大幅に伸ばすのは自民と維新であり、原発推進の政策を唱えている政党である。生まれたばかりの未来の党は、壊滅的な打撃を受け、参院選まで党を維持することが困難だろう。雇われマダムの嘉田由紀子は知事職に帰去来する。「脱原発」の政党も、「国民の生活が第一」の語も、政治の世界から消えてなくなる。マスコミは勝ち誇り、小沢一郎の政治生命の終わりを宣言する。


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by thessalonike5 | 2012-12-11 23:30
棄権する決断と心理 - 救済を求める重い一票の逆説
b0090336_11445765.jpg昨日(12/6)、新聞各紙が自民の圧倒的優勢を伝える情勢調査を出した後、テレビ報道では、例えば報ステの三浦俊章などが、「まだどこに投票するか決めていない人が4割もいる」と言い、それによっては選挙の流れも変わるという発言をしていた。一応は正論だ。だが、私の予測はあまり変わらない。この4割という数字の内実を考えなくてはいけないからである。この4割という数字は、ちょうど国政選挙で投票を棄権する割合と同じだと気づく。残り4割の人々が、1週間で態度決定をして投票所に足を運ぶなら、あるいはアンダードッグの効果が働いて、自民の圧勝を阻止できるかもしれない。だが、いま態度を決めていない人々が、棄権する人々とイコールであったなら、現時点での情勢はそのまま12/16の投票結果になるのである。マスコミ報道では、今回の選挙は、前回よりも投票率が下がるだろうと予想されている。私もそう思う。「どこにも投票するところがない」と考える者は、候補に並んだ顔ぶれの中から自分の一票を決めるのではなく、誰にも入れないという行動を選ぶのではないか。それには理由がある。そのことは、個人にとっては重い決断なのだ。解散してすぐの頃、朝日の紙面記事の中で、どこかの被災者にこの選挙をどう思うか訊いたインタビューがあった。彼は、選挙には期待しない、誰にも期待してはいけない、自分で頑張るしかないと答えていた。


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by thessalonike5 | 2012-12-07 23:30
公示日の風景 - 第一声を見守る有権者、候補者、NW9
b0090336_15354352.jpg選挙の公示日のニュースでは、各党党首の第一声をテレビが揃って報道する。その第一声を聞きに集まる有権者の姿もカメラに捉える。新聞もその写真をネットに配信する。公示日の昨日(12/4)は、東日本は雨か曇りの天気で、しかも真冬並みの寒気に包まれていた。そのため、第一声の現場の風景が全体に暗い色調の中に沈んだ感がある。普通だと、公示日第一声が放たれる空間は、大量のマスコミが集まり、詰めかけた支持者から喚声が上がり、華やいだ祝祭の雰囲気に包まれるものだ。ハレの場である。思えば、この10年ほど、国政選挙は常に灼熱の真夏を舞台にして行われ、選挙戦スタートの絵は眩しい陽光の中にあった。しかし、今回、それが逆に、異様に暗く陰鬱に感じられるのは、決して季節や天候のせいだけだとは思えない。率直に印象を言えば、日本はすっかり老衰し、そしてとことん貧乏になった。今回、党首たちは第一声の地を福島に選んだため、聴衆に高齢者が多く、身なりが質素にくすんで見える。豊かな日本の人々に見えない。1年前、金正日が死んだとき、平壌の人々を撮った映像を見て、女性たちのカラフルなダウンコート姿に驚かされた。上着も靴も、10年前とは見違えるほど上質になっていて、経済的に豊かに変わっている事実が窺われた。それと対照的な、全く逆の真相を今回の映像で直感する。そして、福島と東京では人々の姿がずいぶん違う。都市と地方の格差が歴然としている。


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by thessalonike5 | 2012-12-05 23:30
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