本と映画と政治の批評
by thessalonike5
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<   2012年 01月 ( 20 )   > この月の画像一覧
再評価される幸徳秋水 - 大逆事件も名誉回復の動き進む
b0090336_16452728.jpg大逆事件の冤罪の真相が次第に究明され、幸徳秋水ら事件の犠牲者の名誉回復が進んでいる。在野の人々の長年の地道な努力によって、明治国家の恐るべき権力犯罪(テロ弾圧)の真実が浮かび上がりつつある。犯行の中心にいて指さされているのは、山県有朋、桂太郞、平沼騏一郎。一昨年、大逆事件から100年を前にNHKのETV特集で放送があり、6名の検挙者を出した和歌山県新宮市での名誉回復の様子が紹介されていた。NHKで大逆事件を扱うのが意外で、画期的だと思い、注目して映像に見入った。また昨年の1/24、「大逆事件百年後の意味」と題した院内集会が開かれ、福島瑞穂が挨拶、鎌田慧が講演をしている。今年も同じ集会を1/24に開催していて、参加を呼びかけるツイートを福島瑞穂が連打していた。大逆事件の真実と意味を明らかにし、刑殺された者たちの無念を晴らそうと懸命に動いている人々がいて、関係者の強い熱意を感じさせられる。インターネットの中を見ると、幸徳秋水と大逆事件について情報発信しているサイトが多い。きわめて大量の研究と解説がストックされ、一般市民のアクセスを待っている。幸徳秋水への関心の高さ、復権を願う者の多さ、その営為を続けている在野の者の多さに驚く。幸徳秋水の思想については、古典である本人の著作は別にして、ほとんどネットの資料だけで十分な知識を得られるのではないか。


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by thessalonike5 | 2012-01-31 23:30
三宅民夫が幸徳秋水の特集番組を仕切る齟齬と不快
b0090336_17123394.jpg昨夜(1/29)、NHK-ETVで『日本人は何を考えてきたのか』の第4回、『幸徳秋水と堺利彦』が放送された。一つの番組を何日も前から待ち遠しく構え、中身をあれこれと想像し、緊張して当日を迎えたという体験は久しぶりで、2007年12月の『ワーキングプアⅢ』以来だろうか。果たして、見終えた率直な感想は、菅原文太が登場した第2回と同じ爽快な感動は得られなかった。第一に、この番組の司会が三宅民夫というのは、どうしても甚だしくミスマッチで、画面に出てくる三宅民夫の顔と声が邪魔で耐えられないのである。齟齬感と違和感を掻き立てられ、気分が毒々しく害され、期待感が挫折させられ、平静に番組の進行を追えない。TBSの「世界陸上」の織田裕二と同じで、目障り耳障りで仕方なく、NHKの欺瞞への苛立ちが高じるのだ。ここに三宅民夫が割り込んでいるのは何故だろうと、制作の内幕を詮索する方向に意識が向かい、不快な政治に関心が及ばざるを得ず、視聴者として混乱させられ、クリスチーヌ・レヴィが講義する幸徳秋水論に集中することができない。局内で権力を握っている三宅民夫は、誰かの指示ではなく自分の意思でこの番組に出しゃばり、放送内容を仕切っている。本来、この番組を担当するに相応しいのは、五十嵐公利だろうし、そうでなければ松平定知だろう。反動の三宅民夫の思惑と指図と露出によって、番組は本来の価値を損なわれていた。


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by thessalonike5 | 2012-01-30 23:30
東電清算事業団を作れ - 国鉄方式で解体と整理と新生を
b0090336_17423010.jpg昨夜(1/27)、報ステのスタジオに玄侑宗久がコメンテーターで出演していた。原発と手を切る時だと言い、「原発を再稼働できないことは、福島に来てみれば分かる」と言った。言葉が重く響き、余韻が残り、静かな説得力を残す。官僚の息のかかっていない、汚れていない知性。その態度と言葉に新鮮さを感じる。昔は、こんな感じの、落ち着いた目をした、ヘラヘラ笑わない人物がテレビ世界にも少なくなかった。勉学の修行を積み、理想を求めた人生を送り、人と自分に常に真摯で、深い観察眼を持ち、マスコミに出ても浮かれ燥ぐことのない知性がいた。五十嵐浩司や三浦俊章ではなく、玄侑宗久が番組の解説を主担すべきなのだ。そうすれば、報道は生きて価値を甦らせ、尊敬されて人々の心に届くのだ。昨夜の番組では、ようやく、昨年の電力需給の政府試算の疑惑が取り上げられ、7/29の予測が滅茶苦茶なものだったことが明らかされた。今夏が+6.0%だっただけでなく、昨夏ですら、実は節電の必要がなかった真相が浮上し、節電を義務づけられて苦労した中小企業の者がその事実を知って憤慨する場面が映されていた。エネ庁は、需要予測の前提を無理やり過大にする不正な細工を弄し、一般家庭で業務用の大型冷蔵庫を平均1.2台も使用させたり、留守中にペットのためにエアコンをつけっぱなしにさせるなど、異常な数字に設定して計算していた。


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by thessalonike5 | 2012-01-28 23:30
電力館も本社ビルも売却せず - 松村敏弘と第三者委の報告の唖然
b0090336_182114.jpg「東京電力に関する経営・財務調査委員会」が、昨年10/3に提出した報告書の中身について検討しよう。その前に、12/15に渋谷の電力館について一つの情報が新聞に出ていた。年末、マスコミは「一体改革」の宣伝と教化に躍起になっていて、この問題はテレビで全く取り上げられていない。何と、ファイヤー通りにあるPR施設の電力館が、東電によって「売却しない方針」で固められていたのである。昨年の歳末、何かと慌ただしく駆け込みの時事が続き、人々の注意が散漫になった頃、世間の注目が集まらない一瞬を巧妙に衝いて、こっそりこんな決定を下していた。驚愕の事実だ。このような情報が9月や10月に出て、マスコミで騒動になっていたら、どれほど大きな反発と非難を呼び起こしたことだろう。ワイドショーや週刊誌が猛然と飛びつき、糾弾のネタにして視聴率と部数を稼ぐ情景が目に浮かぶ。昨年5月に電力館は閉館となったが、当時のテレビ報道では、福島の事故賠償の資金策のため売却されるという説明だった。あのとき、テレビ報道は上空にヘリを飛ばし、杉並のグランドとか、湘南の保養所とか、東電の不動産物件を相場と共に紹介し、早く売却して賠償に充てろと国民世論を代弁して騒いでいた。その中で、特に資産価値の高い象徴として電力館の映像が登場した。電力館は、売却処分すべき東電の保有不動産の筆頭に挙げられていた。


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by thessalonike5 | 2012-01-26 23:30
支援機構の正体 - 理事の嶋田隆は与謝野馨の腹心官僚
b0090336_18323563.jpg先週、東電の電力料金値上げ問題がずっと新聞で報道された。朝日の紙面で経過を辿ると次のようになる。1/18(水)、1面と3面で前日(1/17)西沢俊夫が企業向け料金を値上げすると発表した記事を掲載、1/19(木)、1面に家庭向け料金値上げを5-10%の幅で政府が容認するとの記事(経産官僚のリーク)を掲載、7面に国有化と値上げをめぐる東電と政府と銀行の3者の利害と思惑を紹介、原子力村の目線で料金値上げの背景を説明している。1/20(金)、1面に「電気値上げ、新制度検討」の見出し記事を掲載、経産省が新しい制度で値上げができる仕組みを導入すると書いている。経産官僚のリーク記事だが、東電を救済して国民に不利益を押しつける露骨で不自然な制度改定であるためか、記者が要領を得た説明ができず、意味不明な記事になっている。1/21(土)、7面に「電気料値上げ、議論開始」の記事が掲載、「電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議」で、前日(1/20)にリーク報道した新制度が提案され、火力の燃料費増を家庭向け料金に転嫁する値上げを認可する方向となったと書いている。従来は、固定費を含めた原価計算で値上げ申請しなければならなかった手続きを緩和、燃料コストの変動を自由に価格転嫁できる仕組みに変える。以上、週後半は毎日のように官僚リークを載せ、家庭向け料金の値上げを既成事実化する広報の役割を果たしている。


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by thessalonike5 | 2012-01-25 23:30
天然ガス相場が急落 - 東電の「8000億円コスト増」の偽計
b0090336_17332381.jpg毎日が暴露した電力需給の+6.0%の試算について、昨夜(1/23)のNHKやテレ朝では何も取り上げられず、今日(1/24)の朝日紙面にも記事が載っていない。国を挙げての大騒動になって当然の問題と思われるし、再稼働について議論と関心が盛り上がっている現在、それに一石を投じる重大な事実が明らかになったにもかかわらず、マスコミが無視と沈黙を決め込んでいて、国民に真実を伝えようとしない。一昨夜(1/22)、NHKが報道した原子力災害対策本部の議事録の問題についても、朝日は記事にして伝えていない。テレ朝も報道せず、NHKも続報していない。これなど、本来なら蜂の巣をつついたような喧噪になって当然の事件で、週刊誌を巻き込み、真相究明の情報が入り乱れ、一週間は社会を揺るがし続けるべき驚愕の問題だ。保安院のストレステストの問題についても、朝日はずっと論評を控えたままで、マスコミ報道の議論に加わっていない。まるで、昔の新華社電かタス通信の黙殺の様を思わせる。官僚にとって都合の悪い、国民の目に触れさせたくない情報を、朝日は編集で取り除いて官僚を守ってやっていて、世間で批判が大きく広がらないように努めている。まさに官僚新聞の面目躍如。原発問題に関する官僚の失態は伏せ、月額3450円払う購読者から隠し、連日、消費税増税の扇動に饒舌な紙面を刷っている。


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by thessalonike5 | 2012-01-24 23:30
水力で原発を代替させよ - 火力の燃料コストは不要だ
b0090336_17404792.jpg前回(1/21)、再稼働なしでも今夏の電力不足は生じないと政府資料がコミットしていること、国が巨額の税金(5794億円)を投じて対策を講じ、安定的な電力環境を国民に保障していることを指摘した。本日(1/23)、この問題に関わる重要なマスコミ報道が飛び出し、昨年の政府の電力需給予測に捏造があった事実が暴露された。発表された政府の試算では、今夏、約1割(-9.2%)の電力不足になるという結論が示されたが、実際には、「6%余裕」が生じる試算を国家戦略室の別のチームが出していた。この別チームこそ、菅直人の直属で、経産官僚から独立して実態を調査していた特命部隊であり、政府内の事情に詳しい飯田哲也が「Bチーム」と呼んでいた民間メンバーの集団である。私は、政府発表(7/29)で示された予測に対して、自家発電(埋蔵電力)の供給量を不当かつ姑息に過小評価し、供給量の全体を小さく見積もっていると8/1の記事で批判した。さらに、政府が莫大な税金を投じて、原発全基停止後の電力環境を保障した対策やコミットについても、もともと列島の発電設備に余力があり、その裏があるから、官僚は安んじてコミットができるのだと指摘した。今回の報道は、この推理が正しかったことを証明するものだ。つまり、5794億円の対策予算など使わなくても、今夏、原発全基停止後の電力供給に何も問題はなかったのである。


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by thessalonike5 | 2012-01-23 23:30
再稼働なしの環境は政府が予算でコミット - 政府資料を検証する
b0090336_173395.jpg1/18のストレステスト意見聴取会の問題について、新聞各社がどのように反応しているか気になって調べてみた。やはり、読売産経が1/19の社説で再稼働を急げと書いている。朝日は社説を上げていない。東京新聞は1/20の社説で、今回の保安院の「妥当」の判断に対して異議を唱えている。「その不透明な審査には、大いに疑問が残る」と言い、この専門家会合に市民の傍聴を認めなかった経産省・保安院の姿勢を批判している。正論のジャーナリズムであり、国民多数の声の代弁だ。東京新聞は1/19の社説でも、原発の運転期間を60年に延長する方針を打ち出した政府の発表に鋭く反論、「安全への決意は一体どこへ行ったのか」「原発の延命には、厳しく歯止めをかけるべきである」と主張している。東京新聞を筆頭に、地方紙の社説の方は読売・産経とは全く異なる立場になっていて、特に原発を抱える地元紙の論調はきわめて厳しい。愛媛新聞(1/21)は、「こんな手続きで理解は得られぬ」と言い、「強い違和感」を表明、「拙速な判断であり、国民の理解は到底得られまい」と断じている。河北新報(1/20)も、「これでは『見切り発車』だ」と言い、保安院の安全性軽視を指弾している。北海道新聞(1/19)は、「規制を骨抜きにする兆候」と言い、60年延長の問題と合わせて批判、国の原発規制の後退に懸念を示している。


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by thessalonike5 | 2012-01-21 23:30
黒木慎一と保安院の跳梁と暴走 - アクセルとブレーキの話は何処
b0090336_1721503.jpg原発をめぐる反動の政治が勢いよく回り始めた。運転期間を60年に延長、電力料金17%値上げ、それに続いて、大飯原発のストレステスト意見聴取会への市民傍聴排除とマスコミによる脱原発派の暴徒化の政治宣伝。昨夜(1/18)のテレビ報道は、この問題が大きく扱われ、特に大越健介のNW9がトップに持ってきて、「迷惑な騒動」として視聴者に印象づける情報工作が敢行されていた。冒頭に「紛糾」の映像から入り、市民が強引に会議室に入り込む様子を見せ、彼らが正常な会議の運営を妨害しているように伝え、枝野幸男の会見の発言に即して事態を意味づける報道に終始した。傍聴排除に抗議する市民に対して、その主張に耳を傾ける態度はなく、公平な視点で背景を検証することもせず、脱原発派を非常識で乱暴な政治集団の徒として悪宣伝するニュースに仕立てられている。筑紫哲也が生きていたら、1/13に福島原発事故緊急会議が出していた抗議文に触れ、この事件が突然起きたものではなく、一つの政治だった流れを整理して伝えたことだろう。冷静に考えたとき、これが九電のヤラセが問題化した半年前であれば、保安院が市民を意見聴取会の会議室から閉め出すなどするものななら、マスコミは轟然と保安院を叩いただろうし、引け目を感じるべき立場の経産相が、あのような強気の会見に出ることはなかっただろう。


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by thessalonike5 | 2012-01-19 23:30
東電の巻き返しの政治 - 原発運転延長と料金値上げ
b0090336_16143145.jpg今日(1/18)の朝日の1面記事は、原発の運転期間を60年に延ばす政府方針と、東電が企業向けの電気料金を17%値上げする決定の二つが並んでいる。原発官僚側の巻き返しが凄まじい。最初に「20年延長」の件だが、1/6に「原則40年」と会見した細野豪志は海外出張中で、記者会見は官僚(原子力安全規制組織等改革準備室)がやっている。細野豪志の年頭の発表が完全に否定された恰好だが、原発官僚側に立つ読売の記事では、この原子炉等規制法の「改正案は今月中に閣議決定される見通し」とある。官僚側がここまで強気なのは、何らかの根拠があるからであり、官邸を押さえたという自信が示威されている。飯田哲也は「原子力ムラ一斉反撃」と反応しているが、新聞が書かない解説を試みるなら、おそらく、この反動劇には先週の内閣改造が影響している。私は副総理の岡田克也の関与を推測する。岡田克也は強硬な原発推進派だ。先週の政治報道の中で、岡田克也の閣内の実権の大きさを伝える情報があり、通常は閣僚の発言に対して政府方針を示して適正化する官房長官の藤村修が、岡田克也に限っては例外扱いで、全ての(不規則)発言を追認する立場と関係になっている事実が紹介されていた。政府の司令塔が二本立てになっている。この権力移動の機を捉えて、東電を含む原発官僚側が一気に攻勢に出たのだろう。


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by thessalonike5 | 2012-01-18 23:30
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