本と映画と政治の批評
by thessalonike5
以前の記事
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
more...
最新のトラックバック
多層式夢幻能
from NY多層金魚 = Conce..
「新しい翼」Neue F..
from NY多層金魚 = Conce..
「新しい翼」Neue F..
from NY多層金魚 = Conce..
ストロベリー・リポート ..
from NY多層金魚 = Conce..
ストロベリー・リポート ..
from NY多層金魚 = Conce..
秘密保護法 マスコミ(特..
from 聴く 見る 読む 考える
タネたちは故郷をめざす ..
from NY多層金魚 = Conce..
安重根
from 聴く 見る 読む 考える
走って逃げよう! 原発か..
from NY多層金魚 = Conce..
走って逃げよう! 原発か..
from NY多層金魚 = Conce..
空間絵画としてのル・コル..
from NY多層金魚 = Conce..
そして12年目の9月11..
from NY多層金魚 = Conce..
わたしもベルリンオリンピ..
from 御言葉をください2
イスラエル化してゆく日本
from 聴く 見る 読む 考える
花はどこヘ行った + ..
from NY多層金魚 = Conce..
「ナチス改憲」失言、麻生..
from 酒井徹日記―平和・人権・民主..
洪水からの目醒め(5)ド..
from NY金魚
密猟者が 発電所跡で秘宝..
from NY金魚
アンドロイドは遺伝子組み..
from NY多層金魚 = Conce..
アンドロイドは遺伝子組み..
from NY多層金魚 = Conce..
アクセス数とメール


since 2004.9.1

ご意見・ご感想





access countベキコ
since 2004.9.1


















<   2011年 04月 ( 17 )   > この月の画像一覧
冴えわたり響く辺見庸の言霊 - 3・11後の言葉と思想へ
b0090336_13562188.jpg辺見庸がテレビに出たのは2年ぶりで、2009年の2/1のETV特集以来のことである。あのときの秋葉原事件を語った「しのびよる破局」も絶品だったが、今回の大震災を語ったモノローグも素晴らしく感動的な中身だった。新しい詩編が間もなく発表されるらしいが、今回の語りが、2年前のように文章となり新刊となることはないのだろうか。辺見庸のオーラルは冴えていて衰えていない。むしろ完成度が上がっている。口を発して出る全ての言葉に隙がなく、一言一句が詩文として推敲され彫啄されて芸術品に仕上がっている。辺見庸は語る言葉を全て暗記していて、表現はアドリブではないのだ。司馬遼太郎のモノローグも素晴らしかったが、辺見庸も素晴らしい。2年前のETV特集のあと、5月に早稲田で講演し、昨年12月に日比谷で講演しているが、昨年の様子などを噂で聞くと、もう外で講演する機会はないのではないかという予想を持っていた。身体の具合が悪いのと、講演を依頼した主催者との関係に納得していない雰囲気が窺われたのである。その意味で、今回のETVでのパフォーマンスは、私からすれば「復活」の印象が強い。今回も映像で階段を歩行する姿が出るが、身体の不自由はさらに進んでいる感があった。あれだけのパフォーマンスを収録できるということは、NHKのスタッフとの信頼関係があるのだろう。できれば、テレビ出演の機会を多くして欲しいと思う。


More
[PR]
by thessalonike5 | 2011-04-28 23:30 | 東日本大震災
辺見庸が語る大震災 - 瓦礫のなかから言葉をひろって
b0090336_1765346.jpg失われてみて、その記憶の大きさが自分の中でいかに大事だったか、自分の表現を支えてきた土台に、あの魚臭い町があったということを思い知らされたわけです。堤防があった。海岸で遊ばない日はなかった。いつも耳鳴りのような、幻聴のような潮騒と海鳴りを不思議に思ってきた。僕にとっては、あの荒れ狂った海が世界への入り口だったし、授業中に校舎の窓からも海が見えた。いつか、あの海の向こうに行くんだと、自分で決めていた。私はいつも自分をコスモポリタンだと、根無し草だと思ってきた。僕にはルーツなんか無いものだと思ってきた。記憶の根拠になるものなんて本当は無いものだと思い続けてきたけれど、今度という今度は本当に思い知らされた。慌てている。自分には立つ瀬がないとさえ思うようになっているわけです。2011年3月11日に一体何が起きたのか、僕らはまだ3・11から時間がそれほど経過していないので、正直、呆然自失していると思うんです。その理由は、その破壊の大きさと、あのダイナミズムをあらわす言葉を誰も持っていなかったということだと思うんです。それを言い表す言葉が数字以外にないということは、こんなに実は淋しいことはない。皆さんが待ち望んでいるのは、水であれ、食料であれ、暖房かもしれない。と同時に、胸の奥に届く言葉でもあるような気がしているのです。それは決して、がんばれとか団結とか復興とか、通り一遍の言葉をスローガン的に言うことではない。


More
[PR]
by thessalonike5 | 2011-04-25 23:30 | 東日本大震災
田中好子の死を悼む - 合宿生活とMADE IN JAPAN
b0090336_13524753.jpgキャンディーズについて語ろうとすると、やはり、青春とか青春時代という言葉で冒頭を言い表そうとする。「キャンディーズは私の青春そのものだった」とか。しかし、そこで小さな抵抗感が起こり、やがて思考の迷路に嵌って立ち往生をしてしまう。青春という言葉は、今、その意味が一般に通用する言葉なのか、青春という日本語はあるのか、そう思い始めると、この言葉を容易に使えなくなる。安っぽくなると言うか、リアリティがなく、言葉の響きへの共通感覚を期待できず、文章で言い挙げて納得できる自信を持てないのだ。辺見庸が、言葉から見離されているとか、言葉が縒れて意味を剥がれていると言っているが、青春という言葉は、もう今の日本では簡単に使うのは躊躇わされる言葉なのだ。今の日本の若者に青春はあるのだろうか。30代の人たちに、青春という語にふさわしい質量を伴った体験と記憶はあるのだろうか。否、50代や60代の者たちは、青春という言葉の当時の意味を覚えているだろうか。自分自身の青春時代を、何のコード変換もなく、編集処理もなく、自己欺瞞なく、ありのまま思い出すことができるだろうか。青春という語がすでに瑞々しさを失い、干涸びて、意味から剥離されて形骸化していることに気づくことがなければ、無前提に「キャンディーズは私の青春だった」と人に言い伝えるのは無意味なのだ。青春という言葉は古典語になっている。


More
[PR]
by thessalonike5 | 2011-04-23 23:30 | その他
榊原英資 - 「増税の必要はなく、財政支出を拡大せよ」
b0090336_1715182.jpg消費税増税を正当化する常套句として、「将来の世代にツケを残さないため」という言葉が言われる。この寸言はキラーフレーズとして効いていて、テレビ報道を聞いていても、復興財源を消費税増税で賄う理由の説明については、この言い捨てで簡単に済まされている。国民の共通認識だから、それで十分だろうという政治や官僚やマスコミの判断が窺われる。まるで水戸黄門の印籠の威力であり、この一言が放擲されただけで、国民は頷き萎れて地面に跪くのだ。武装解除され、抵抗を止めてしまう。支配のイデオロギーは、単純であるだけ効力があり、反論や否定が難しい。「子どもの世代に借金返済の負担を押しつけるな」という命題は、一般人の素朴な倫理と常識に依拠し、正義として無条件に肯定され、理屈以前の感情のレベルで揺るがない正当性が確立される。しかし、よく考えれば、この命題はおかしい。例えば、新しく事業を起こそうとする者は、金融機関から立ち上げの資金を借り入れるのが普通であり、手持ち資金のない者は借金でイニシャルコストを賄うのが一般的だろう。事業の中で利益を回収し、借金を返済して行く。個人が家を買うのも同じで、20年30年のローンを組んでマイホームを購入する。子どもの幸せのために家を建てる。資金がなければ借金し、それで将来にわたる幸福を設計する。将来の世代の幸福を考えれば、今は手持ち資金がない身なのだから、借金で日本経済を再建し、拡大循環の軌道に乗せる選択が正しいのではないか。


More
[PR]
by thessalonike5 | 2011-04-21 23:30 | 東日本大震災
復興財源の政治 - 景気への懸念や対策が全然出ない
b0090336_17223514.jpg呆れることに、復興問題はすっかり消費税増税問題にスリ替わっている。菅直人が立ち上げた復興構想会議なるものは、単に震災のどさくさにまぎれて消費税増税を決め込むための姑息な舞台装置だった。それまでの1か月、復興財源の議論の中で筆頭候補ではなかった消費税が、4/14の五百旗頭真の会見での「復興税」の発言後、急速に台頭し、4/15と4/16の朝日新聞の1面記事になり、週明けには新聞各紙とNHKで世論調査の結果が出されるという速攻の進行になった。マスコミを使って消費税増税のモメンタムをラッシュさせ、強引に既成事実化する政治を進めている。これは、菅直人と官僚の計画どおりの作戦の遂行なのだが、一つ重要なことは、4/24に統一地方選後半戦の結果が出て、そこで「菅退陣」の政局が始まるという日程である。つまり、菅直人と官僚は、この逆風を見越して、2週間の政治を消費税増税で騒いで埋め、押せるだけ前へ押し、半ば既成事実に固めるべく詰めてきたのである。統一地方選の結果が出れば、確実に菅政権は危うくなる。岡田克也と菅直人が追い詰められ、セットで消費税増税の政策にもカウンターが来る。だから、官僚は陣地をなるべく取っておこうと急いだのであり、復興財源=消費税増税の流れを固めようとしたのだ。菅直人の方は、自身の権力延命のため官僚と手を組み、官僚の意向と利害を急進的に汲む策に出た。官僚の従順な手先で動けば、マスコミから叩かれずに済むからだ。


More
[PR]
by thessalonike5 | 2011-04-20 23:30 | 東日本大震災
チェルノブイリとソ連崩壊 - 69年目のソ連、66年目の日本
b0090336_16493522.jpg5年前のニュースによれば、ゴルバチョフは、チェルノブイリの事故後1日半の間、モスクワに何も現地の情報が入って来なかったと証言している。政治局で対応を協議したが、情報は西側からの報道しかなく、現場の状況を把握して早急な対策を講じることができなかったという弁解である。「何でテレビに出る前に情報が官邸に上がって来ないんだ」と首相が怒鳴っている、どこかの国と様子が似ている。腐蝕し老朽した官僚組織というものは、こうした事故の場合、まず責任問題を避けるべく失敗を隠して事実を曲げる動きに出て、経過と現状をあるがまま素早く報告しない。情報の伝達が、経路の途中で萎れて歪み滞る。速度と正確さと目的を失う。日本は終戦後66年、ソ連はこのとき建国後69年。ゴルバチョフの性格を考えて、この証言は半ば信用してよいだろう。ゴルバチョフが事故対策を本格化させた4/28、私はイルクーツクに入ってバイカル湖観光を楽しんでいた。イルクーツクからバイカル湖までは70キロの距離で、タイガの森の中の一本道をマイクロバスで1時間半で着く。シベリアの針葉樹林は痩せていて、どれほど一望無限に広がっても、決して豊かな森林という情景と印象を作らない。湖面はまだ白く凍結していて、近づくと寒気に包まれた。真っ白な巨大な氷の海。湖畔に観光客用の食堂があり、昼食で塩鮭の切り身を焼いた皿が出たが、それは食塩の塊を口に入れているのと同じ恐るべき代物で、一口で食事を放棄させられる苛酷な社会主義的料理だった。


More
[PR]
by thessalonike5 | 2011-04-19 23:30 | 東日本大震災
1986年のモスクワのメーデー - 放射能汚染された空の下
b0090336_16523965.jpg今から5年前、「サンクトペテルブルクを旅した頃」という記事を書いた。訪問したのは、ロシアがまだソ連だった当時で、町の名前もレニングラードと呼ばれていた頃である。実を言うと、そのとき日本を旅立ったのは、25年前の1986年4月27日で、ゴールデンウィークを利用しての8泊9日の旅程だった。チェルノブイリで事故が起きた翌日、私は日本を発ってソ連の地を踏んだのだ。4/27はハバロフスク泊、4/28はイルクーツク泊、4/29はモスクワ泊と、何も知らずにアエロフロート機に乗って、シベリア大陸を西へ西へと事故現場に接近していた。情報を得たのは4/29のモスクワのホテルでの夕食時で、ツアー参加者に日本の家族から国際電話が入り、私たちはそこで初めて原発事故の事実を知った。しかし、ソ連国内は全く静穏で、市内観光の日程も予定どおり行われ、私は4/30にレーニン廟とクレムリンの内部を見物している。5/1はメーデーで、街路に山車が繰り出る祭典のパレードは、全く通常どおりに催行されていた。赤の広場に続く通りの両脇には、東欧や西欧から来た観光団が大勢詰めかけていて、青く澄んだ晴天の下、賑やかな祝祭の情景が盛り上がっていた。4か国語が堪能な、リボフ出身の冷たい目をした彼女に出会ったのは、そのパレード見物の沿道での出来事である。彼女は東ドイツの旅行客を引率していた。あの後、リボフに帰ったのだろうか。


More
[PR]
by thessalonike5 | 2011-04-18 23:30 | 東日本大震災
広瀬隆『二酸化炭素温暖化説の崩壊』を読む - 原発の熱
b0090336_17582014.jpg広瀬隆については従来から毀誉褒貶が甚だしく、そのことが広瀬隆への警戒感や抵抗感となって、著作への接近を躊躇させていた。そういう人は私以外にも結構多くいるに違いない。今回の原発事故が機会となり、私は初めて広瀬隆の本を読んだが、一読した感想は、世間一般やネットで言われている評価とは全く異なるもので、印象を新たにさせられた。事故があり、エネルギー問題について否応なく強い関心を持たざるを得ない時期だからという条件もあるが、本の内容は面白く、論理と主張に引き込まれ、そのまま最後まで一気に読み切った。正直なところ、私の場合、途中で挫折せず最後まで読み通せる本は少ない。柄谷行人も、まず何より読み込めるかどうかだと言っていて、私もその読書論に同感する一人だ。今回、広瀬隆という作家が、これまで市場で人気を博してきた理由がよく納得できた。と同時に、何であのような、荒唐無稽と決めつけられる異端像が定着してきたのかと不審にも思った。俗評や風説というものが、何も根拠を持たないものだとは私は思わないが、それ以上に、それを安易に信じて作られる偏見とは恐ろしいものだと反省させられる。少なくとも、ネット上に散乱している広瀬隆に対する下劣な誹謗中傷よりは、広瀬隆の文章の方が堅実で信頼を持てる。また、NHKが飼っている岡本孝司や山口彰の「寄らしむべし」の官僚言説よりも、はるかにヒューマンな知性と説得力を感じられるものだ。


More
[PR]
by thessalonike5 | 2011-04-17 23:30 | 東日本大震災
水と時間で解決する - 吉田昌郎の方法と米国との対決
b0090336_16153810.jpg菅直人が、4/13に「避難区域には20年住めないだろう」と発言した件が物議を醸している。政治的には住民感情を逆撫でする失言に違いないが、ここには、政府の客観的な事実認識が示されていると言える。原発事故に関して、官邸には最も正確な情報が集まっているのであり、それに基づいた根拠ある判断だと見てよいだろう。事故収束までどれだけ時間と工数がかかるのか。東電が近く工程表を説明するということだが、われわれが当初に想定していたよりも、はるかに長く重い年月を要する見通しに情勢がなりつつある。4/12に日立が提出した案では、廃炉まで30年かかる計画になっている。私も、ブログの多くの読者の皆様も、廃炉の前に死んでいるか、廃炉を見届けて旅立つ人生になる。計画は5段階に分かれ、(1)冷温停止から核燃料の取り出し、(2原子炉プラントの除染、(3)核廃棄物処理、(4)中期的なプラントの保管、(5)最終的な廃炉措置、とある。どうやら、(1)で10年かかると見積もられているようで、昨日(4/13)紹介した朝日の1面記事での、使用済み燃料プールから核燃料を取り出す作業に「数年かかる」とする関係者のコメントと符合する。原子炉の放射線量が下がり、人が現場で作業できる状態にならないと、最初の工程すら着手することができない。「冷温停止」というのは、崩壊熱の発生と放射性物質の生成が止まることを意味すると思うが、それに10年かかるということだろうか。


More
[PR]
by thessalonike5 | 2011-04-14 23:30 | 東日本大震災
会見で見通しを示さず東電に丸投げする菅直人の卑劣
b0090336_1610332.jpg震災発生から1か月が過ぎた昨日(4/12)、保安院による原発事故の「レベル7」への引き上げと菅直人の記者会見があった。自己評価尺度の引き上げについては、すでに3/25の時点で朝日新聞が報じていて、政府高官の話として、レベル6に引き上げるという記事になっていた。その時点の海外の研究機関による観測と推定では、すでにチェルノブイリと同級の事故評価が下されていて、レベルの引き上げは時間の問題だったが、政府は3週間近くも発表を遅らせたことになる。その理由は二つあり、飯館村を含む避難指示区域の拡大への対処に時間を要したことと、時間稼ぎをして統一地方選への影響を避けたことである。政府当局は、当然、放射性物質の放出量を把握し、事故レベルを正確に判断していたはずだが、あの時点でそれを発表すると、自動的に避難区域の半径30キロ圏内への拡大を余儀なくされ、南相馬市やいわき市への対応で相当に混乱する事態に陥っていただろう。チェルノブイリでは30キロ圏内の住民が強制移住させられている。その後、大気中の放射性物質の測定値が安定したため、避難指定地域を絞りつつ、事故レベルを引き上げる措置へと漕ぎつけた。ただし、それはあくまで政権側の立場からの見方であって、正確な情報を持ちながら適切な判断を公表しなかった点で、世界中から不信の目で見られる結果に導いた過誤は間違いない。


More
[PR]
by thessalonike5 | 2011-04-13 23:30 | 東日本大震災
昔のIndexに戻る