本と映画と政治の批評
by thessalonike5
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筑紫哲也を悼む(3) - 追悼番組で知らされた凄絶な闘病の日々
b0090336_13375486.jpg昨夜(11/12)、TBSが放送した筑紫哲也の追悼番組は感動的な作品に出来上がっていた。死から4日、短い時間で関係者はよく動き、よく企画を纏め、録画を編集して、追悼番組に相応しい映像を制作して届けていた。先に不満から言えば、姜尚中の出演は要らなかった。何であの男をわざわざスタジオに呼ぶ必要があったのか分からない。田原総一朗もビデオでの出演に止めて欲しかった。参加者の中で、とても印象に残ったのは草野満代で、できれば最初から出て、もっと多くの話を聞かせて欲しかった。女性の立場で故人を語る最高のコンテンツの提供者。41歳。ニュース番組で姿を見かけなくなって久しいが、かわいくなって、魅力を増している。目がきれいだ。NHKらしい田舎育ちの優秀なお嬢様。岐阜県立恵那高校出身、津田塾大学卒。伊東敏恵と同じ範疇。同じ人事による同じ選考基準での採用。バラエティ番組の端役などに身を窶さず、もう一度、報道番組のキャスターに返り咲いて欲しい。




b0090336_13333320.jpg佐古忠彦の姿が見えなかったのも残念だった。噂では、視聴率が低落しているNEWS23は来年早々打ち切りになり、みのみんたの「夜ズバッ」に置き換えられると言われている。それは残念な話だ。できれば、佐古忠彦を中央のメインキャスターに据え、左隣のサブキャスターに草野満代を置き、右隣のコメンテーターを鳥越俊太郎で固め、スポーツキャスターに今山佳奈を抜擢したTBSの黄金の布陣でNEWS23を再生させて欲しい。佐古忠彦もすでに44歳、報道番組の主役を張れる年齢であり、直々に薫陶を受けた直系の弟子として、どれほどのジャーナリストに育っているか確認したい。また佐古忠彦はそれを証明する使命と責任があるだろう。NEWS23のサブを務めた8年間、筑紫哲也に育てられて、日に日に報道者として成長するのがよく見えた。思い切って、「多事争論」に挑戦してみたらどうだろうか。「多事争論」の二代目を継いだらどうか。やりながら試行錯誤して、音楽を入れるとか、効果を入れるとか、自分なりのスタイルを築き上げてみたらいい。

b0090336_1334968.jpg阪神大震災の1月17日、東京大空襲の3月10日、慰霊の日の6月23日、広島の8月6日、長崎の8月9日、これらの日には現地に行って、現地から特集とメッセージを発信するニュース番組が欲しい。それが日本の報道として当然のあり方であり、筑紫哲也の方法こそがオーソドックスなテレビ報道だったと思うが、そういう報道番組が今はない。ニュースステーションが始まった初期は、現地にこそ行かなかったが、久米宏は6月23日には沖縄の特集をやり、若い視聴者に沖縄戦の事実を教えたりもしていた。小林一喜が死に、90年代に入ってから、久米宏は堕落し、そういう報道は一切やらなくなった。NHKの9時のニュースも、それは国民のための公共放送なのだから、本当は筑紫哲也のNEWS23以上にそうした報道に力を入れ、予算を投入して記念特集を制作しなければならないはずなのに、自民党政府の意向に粛々と従って、何もやらずに済ませている。6月23日も、8月6日も、8月9日もそっちのけで、北朝鮮の拉致家族にばかり出番を与え、鬼畜北朝鮮プロパガンダの放送に熱中している。

b0090336_13335760.jpg追悼記事の第1回目に、鶴見俊輔を立命館大学に招いて講演させた6月初旬の放送を思い出し、あのとき、筑紫哲也は自分の余命を知っていたのだろうかという疑問を率直に述べた。昨夜の放送で事実が分かった。がん細胞の全身転移はその半年前の12月にすでに医者から告げられていて、体調も日毎に悪くなっていたのである。「残日録」と表題がつけられた闘病日記には、呼吸が苦しく、生きるのが辛く感じると書かれていた。肺がんだから、息をすると痛みが走ったのだろうか。だとすれば、人前やカメラの前で話をするのはどれほど大変なことだっただろう。それが、5月17日の鶴見俊輔の講演会のときも、7月6日の梅原猛の講演会のときも、そういう様子を外に見せてない。無論、闘病日記が公開され、病気の進行の真相を知った後に映像を見れば、苦痛を堪えて笑顔で対談している筑紫哲也の状況を察知できるが、夏前に会ったと証言した草野満代が全く容態に気づかなかったように、テレビの映像を見る私には何も分からず、元気そうに京都を楽しみ、本人が大好きな、若者に囲まれてちやほやされる時間を楽しんでいるように見えた。

b0090336_13334413.jpg立命館大学の連続講座「京都発:明日への伝言」は、7月の筑紫哲也の容態の急変のため、梅原猛を最後に3回で終わっている。元気であれば、9月27日は4回目に野中広務が講演する予定になっていた。関係資料を見ると、他に瀬戸内寂聴や山折哲雄の名前が入っている。私は梅原猛を招いた第3回目の放送を見逃していて、このことがとても残念で、TBSが何かの機会に再放送してくれることを望みたい。第1回目の鶴見俊輔の回は本当によかった。あの映像は、こうして闘病の真実が明らかになった今だからこそ、まさに大きな価値を持つ。その2か月前の3月に、家族は余命3か月と宣告されているのであり、医師に宣告された「余命」が残り1か月の姿だった。最初はリラックスして和やかなムードで鶴見俊輔の話を聞き流していたのが、話の迫力に次第に引き込まれ、聞き入る表情が真剣になり、そして話が戦中の佳境に入ったところで、筑紫哲也の目の色がキラッと光るのである。キラッと光り、手元のノートに一心にメモを走らせていた。二人の時間と呼吸は武士のものだった。これでお互い最後になる。最後になるが、女々しい別れはしない。車の座席に座った鶴見俊輔は後ろを振り向かなかった。

b0090336_13342074.jpg梅原猛とはどのように最後の別れをしたのだろう。それを見たい。7月6日の立命館での映像を見ると、梅原猛は筑紫哲也のことがかわいくてたまらない感じに見える。83歳。「肺か、手術はいつやった」。筑紫哲也をかわいく感じる梅原猛の気分は何となく想像できる。どう言うか、二人とも、商売っ気が多いと言うか、「商売の立ち回り」が上手な知識人だった。私の見方だが、鶴見俊輔の方は筑紫哲也に厳しい態度で臨んでいて、筑紫哲也に対して、浮薄ではなく、もっと使命に忠実で首尾一貫していなくてはいけないと批判しているように見えた。講演の途中で鶴見俊輔が大きな声を上げた一瞬があったが、あれは学生に対してではなく、きっと横に座って(だらけて)いた筑紫哲也を一喝していたのだ。がんで余命何か月であろうと、一瞬たりとも緊張を緩めないのが武士の生き方であり、それが知識人の生き方である。それでいい。前に梅原猛と対談したNEWS23の特集は、確か9・11テロの直後だったと思うが、梅原猛が、「この年になって初めてコーランを読んだよ」「やっぱり直に読まないとだめだな」と言い、二人で楽しそうにイスラム教談義に興じ、一神教の原理主義について議論していた。懐かしく思い出す。どうやら、7月6日の梅原猛の講演の後、最後の「多事争論」を京都で収録している。

もし私がNEWS23のキャスターになったら、筑紫哲也のように、いろいろな人間と対談する特集を放送してみたい。日本の報道番組の品質と水準の高さを示す、夢のある中身の濃い報道番組を作ってみたい。加藤周一、梅原猛、三木睦子、澤地久枝、井上ひさし、瀬戸内寂聴、五木寛之、柄谷行人、山田洋次、宮本信子、諏訪内晶子、三田村雅子、谷川俊太郎、永六輔、大橋巨泉、安藤忠雄、平山郁夫、高階秀爾、中村敦夫、石川文洋、松岡正剛、大前研一、霍見芳浩、中野雄、和田春樹、坂本義和、樋口陽一、長部日出雄、ちばてつや、白土三平、北山修、渡辺貞夫、ジェームス三木、 橋田壽賀子、神田秀一、筒井康隆、堺屋太一、安野光雅、村田昭治、大田昌秀、小菅正夫、小川後楽、田中耕一、本村洋、白柳誠一、酒井啓子、緒方貞子、塩野七生、池田理代子、里中満智子、阿木燿子、岸恵子、倉木麻衣、中島みゆき、野崎靖博、姜帝圭、韓明淑、胡錦濤、李登輝、チャベス、バチェレ、フェルナンデス、ブルジャナゼ、ティモシェンコ、ロワイヤル、マハティール、ウォルフレン、ソロス、ユン・チアン、ジョン・ダワー、アントニオ・ネグリ、スティグリッツ、アルマティア・セン。

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by thessalonike5 | 2008-11-12 23:30 | その他
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