本と映画と政治の批評
by thessalonike5
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「結党以来の危機」を態度で裏切る総裁選候補者の軽薄と倨傲
b0090336_11552256.jpgあれから4年目の9月11日を通過した。その翌々年の参院選挙に立候補することになるとくらさんと知り合い、そのときはそんなに偉い人だとは露知らず、清水の舞台から飛び降りる気持ちでSTKの運動を始め、結局、政治に関わる議論ばかりでブログを埋める日が続いてきた。日本のネットでBLOGが盛んになったのは4年前からだが、その4年間はまた、途切れることのない政治の季節が熱病にうなされるように続いてきた時代でもある。まるで幕末のようだ。長い泰平が続いた日本に政治の激動が訪れ、革命のドラマが歴史に刻まれる。今、政治への関心や意識が薄れている日本人は少ないだろう。レベルは低くても熱はある。政治への関心は熱く切実で、生活の展望や希望を政治に見出そうと切なく見守っている人が無数にいる。個人にとってのリアリティが、仕事の成功や趣味の充実ではなく、政治の変動に依拠し依存してしまうような、そんなジリジリ焦げるような精神状態に変わりつつある。まぎれもなく社会の中産階級が減り、人々の存在がプロレタリア化している。プロレタリア化と共に意識が政治化している。



b0090336_11553648.jpg総裁選による自民党のマスコミを占領した政治宣伝が大規模に続いている。特に自民党との癒着が甚だしいのがNHKで、9月10日の7時のニュースは時間を1時間枠に延長して、丸ごと5人の候補による政治宣伝のために自在に使わせていた。どう考えてもやりすぎだ。公共放送が何故そこまで一政党の党首選に国民の関心を向けさせなければならないのか。国民に投票権があるわけでもなく、視聴者全員が自民党の党員や支持者であるわけでもないのに。NHKのメッセージは、5人の総裁候補の話をよく聞き、来るべき総選挙の争点である経済政策の主張に耳を澄ませ、各候補者の違いをよく聞き取って、日本の政治がどうあるべきか考えましょうというものだった。社会保障の制度の維持のためには消費税を増税するしかありませんので、国民は嫌がらずに受け入れましょう。でも本命の麻生候補は増税の先延ばしを約束していますから安心ですよ。しかし与謝野候補の厳しい主張こそが責任ある正論ですからよく聞いておきなさい。民主党のような無責任なバラマキ政策を支持してはいけません。それがNHKが放送で示す「総選挙の心得」のガイドラインだ。

b0090336_11564618.jpgどこにも批判的な報道姿勢はなかった。政府の意向を受けたNHKの消費税キャンペーンは、昨年末の予算報道のときからずっと執念深く続けられている。朝日新聞と同じだ。NHKの場合は、特にそれを税制問題として論じず、必ず社会保障問題として論じる。NHKが論説で「日本の社会保障のあるべき姿」などという題目で議論を始めると、話の内容の半分以上が消費税増税の説得で埋められ、肝心の社会保障制度については何も言おうとしない。われわれが聞きたいのは、年金や医療や介護の中身で、例えば日本と較べて北欧はどうかなどという先進モデルへの関心なのだが、NHKの論説委員にとって社会保障の話とは消費税の話のことであり、必ず「国民は応分の負担をせよ」という説教に終始する。NHKにとって、消費税の増税は当然であり、それを嫌がる国民の怠惰な姿勢は社会悪であり、消費税増税が消費を落ち込ませて国民生活と国民経済に悪影響を及ぼすなどという懸念は微塵もないのである。NHKがいかに一方的に官僚の代弁者となっているかを象徴する図だが、天下りと無駄遣いを続けたい官僚は、なりふり構わずに消費税増税の政治に奔走している。省利省益を削られたくないのだ。

b0090336_115657100.jpg自民党は結党以来の危機ということで、今度の総裁選では全国18か所を大規模にローラー・キャラバンするプログラムを組んでいる。マーケティング戦略の表面だけ見れば、自民党の総裁選プロモーションは秀逸で、ほとんど非の打ちどころがない。立候補受付の順番もよく考えていて、若くて軽い石原伸晃から始まって、真ん中に本命の麻生太郎を置き、最後に重量感のある与謝野馨を配している。紅白歌合戦の出場歌手の配列を見るようで、バランスを考えてよく工夫している。麻生太郎の横に小池百合子を置き、本命と華のツーショットをカメラマンが撮れるように誘導している。支持率(プリファレンス)を取るために広告代理店が知恵を絞っている。このマーケティングだけで確実に一定の数字を取れるのだ。白川勝彦は9月11日のBLOGの記事で、「賢明な国民もいるが、こんなものに騙される国民が多くいるのも現実である」と言っている。私もその見方に同感する。テレビ広告量を増やせば確実に商品の売上は上がる。だから企業は大金を投入してテレビで商品を宣伝する。自民党の宣伝でテレビの画面を覆えば、民主党の絵や音は入らないのだ。ゼロサムの世界である。これ以上効果的な選挙戦術はない。

b0090336_13354153.jpgしかしながら、結党以来の危機は、党本部のスタッフや代理店の仕事からは十分感じられるが、総裁選の主役として立候補した面々の表情や口調からは寸毫も実感できないのである。特に与謝野馨を除いた4人には危機感や緊張感がまるでない。石破茂が不細工な面相をアップでさらに醜く歪めて、押しつけがましく安全保障がどうのこうとの言い散らすのを聞いて、この男が本当に国民から票をもらおうと思っているのか疑わしく感じるのは私だけだろうか。9月10日夜のNEWS23では、「20人の推薦人を集めるのがどんなに大変か」と言っていたが、それは内輪で話すべきことで、国民には何も関係なく、誰も共感などすることなく、思い違いも甚だしい。こういう呆れた勘違いを世襲二世議員は公然として憚らない。そもそも石破茂が集めた推薦人20名は、石破茂が自分の力で集めたものでも何でもなく、候補を出せずに草刈場になるのを恐れた津島派が苦肉の策で消去法の末に決めた人選である。無能な石破茂が何を生意気なことを言っているのか。小泉政権の閣僚だった男が「地方の痛み」などと口にするのも面妖で、3年前の郵政選挙では何と言って当選したのか。自民党は石破茂で地方への訴求を演出したつもりだろうが、効果は出ていない。

b0090336_13364892.jpg麻生太郎の傲岸な態度はさらに印象が悪い。この男の悪い癖は報道関係者に無用な喧嘩を売ることだが、NEWS23でもキャスターの後藤謙次に挑発的な言動を吐いていた。国民の世論を代弁した批判的な切り口で質問が飛ぶと、麻生太郎は刺々しい口調で言いがかりをつけ、報復をちらつかせた嫌味な反論を繰り出して相手を黙らせようとする。総理総裁になっても人格は変わらない。政策の応答でも、麻生太郎の考え方は福田首相とは比較にならないほど新自由主義色が濃厚で、官僚機構の無駄をどうするかという質問に対しては、道州制のソリューションを対置し、聞きながら唖然とさせられた。麻生太郎が首相になれば、改革政策は後退どころか明らかに息を吹き返して加速する。財界が麻生太郎を待望する所以だ。厚生労働省の国民生活基礎調査では、生活が苦しいと感じている世帯が57.2%で、6年連続して過去最多になっている。同じ調査では、世帯当たりの平均所得が10年間下がり続けて、1997年に657万円だったのが2006年には566万円に激減している事実が統計で明らかにされている。この10年間に日本で起きたことは、規制緩和と社会保障削減と地方交付金削減の改革政治であり、それを断行する改革政権の中枢に主要閣僚として麻生太郎はいた。

b0090336_11573033.jpg候補者の顔ぶれの中では最低限の紳士の品性と常識を維持して、話を聞くに耐えられるのが70歳の与謝野馨だが、与謝野馨が総裁選に出馬した意味は、まさに消費税を総選挙の争点に据えるところにあり、消費税増税を実施する最終的な正当性の根拠を今度の衆院選のプロセスで獲得しようとする官僚機構と財界の目的を実現するために候補に押し立てられた。福田首相辞任直後は、与謝野馨は総裁選出馬など全く念頭になく、記者の質問も一蹴していたが、2日後には出馬の意思を固めて推薦人もあっと言う間に集まった。何があったのか。与謝野馨は無派閥で、過去に総裁選に出馬した実績もなく、カリスマ性もなく、先のある身でもなく、これ以上推薦人が集まりにくい境遇はないはずなのに、誰よりも素早く推薦人を集めて手を挙げた。明らかに裏で官僚機構(表には見えない族議員の力)が動いている。総裁選とそれに続く総選挙を消費税論議で染め上げ、消費税を争点にするために、与謝野馨を官僚と財界の代理人として立てた。総選挙で、自民党と民主党との間で消費税増税の合意を得ることが彼らの狙いだ。それ以外に与謝野出馬の政治を解読することはできない。他の4人の軽薄さが際立つ分、与謝野馨の謙虚さや重厚さが説得力となり、消費税の争点化が既成事実として固められて行く。

ネットでは5人の人気投票が始まっている。総裁をめぐる「論戦」と言いつつ、テレビから放射される言説の中身は民主党批判のプロパガンダと社会保障の自己責任論の説得ばかりだ。今日のまとめは一言。自民党総裁選はマーケティングは完璧だが商品が粗悪で品質に劣る。
b0090336_12182563.jpg

【 読者からのメールのご紹介 / 名前 : 毛糸 】

民主党はもっとメディア対策・空中戦に力を入れるべきという主張に私も同意します。

地方組織の弱い民主党にとって地上戦をしっかり行うことが大事なのはたしかですが、それは空中戦を無視していいことを意味しないと思います。現在、自民党が総裁選でメディアジャックを行っていますが、実のところ自民党の支持率アップへの貢献は今のところ小さいようです。昨日発表された朝日新聞の世論調査では自民党の支持率は前回(福田総理辞意表明直後)と同じでした。ですが、民主党の支持率は前回から2%下がっており「民主党を埋没させる」という自民党のもう1つの狙いは成功していると言えます。

民主党はメディア対策に力を入れるべきですが、「露出すればいい」という考えの自民党とは違う路線を狙うべきだと考えます。昨年の民主党は「消えた年金」という重要な問題を自らあぶり出し、それを武器に空中戦に打って出ることで成功を収めました。これは空中戦ではありながらも同時に正攻法であり、露出だけを狙って上滑り気味になりつつある今の自民党総裁選とは一線を画していました。今回も民主党は正攻法でかつ、メディアを巻き込んだ空中戦を行うべく動くのがベストであると考えます。

ちょうど今は政府与党を追及するための大きな問題が2つ(「有害米問題での農水省と業者との持ちつ持たれつの関係」「消された年金」)あります。民主党はこの2つの問題での閉会中審査を要求しています。これは考えとしては正しいと思います。しかしながら、この民主党の行動がメディアによって十分に扱われ、国民に伝わっているかと言えばかなり疑問が残ります。こういった場面でこそ、ブログ主が提案したようなメディア対策を打つ効果が最大限に発揮されると考えます。

たとえば、まず野党各党(民主・社民・国民・日本(+共産))が共同で「有害米問題プロジェクトチーム」を立ち上げて共同での記者会見や街頭演説を行い、そこで「直ちに閉会中審査に応じろ」と強くアピールするのです。こうなればメディアは嫌でも報道しなければならなくなりますし、「自民党は重要な問題を置き去りにして、自党の利益のためだけにお祭り騒ぎに興じている」というイメージを与えることにも役立つでしょう。そこにブログ主が提案されたyoutubeの活用などが組み合わされば、より効果が得られると考えます。

(この考えに基づいた内容のメールを近く民主党や数人の野党議員に送る予定です)

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by thessalonike5 | 2008-09-12 23:30 | 政局
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