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本と映画と政治の批評
by thessalonike5


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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読む(3)
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読む(3)_b0090336_13264965.jpg村上春樹の新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は、遂に80万部の発行部数となった。が、書店では品切れ状態が続いていて、週末(4/20)まで入荷がないなどという情報もTWで流れている。村上春樹の作品が売れることは嬉しい。それは、自分の人格が普遍的に拡大していることを意味しているように思える。と、そう私は数年前に言った。しかし、今は少し違う。眼前のフィーバーは嘘くさい。村上春樹の新作を読む娯楽と祝祭の空間に積極的に参加し、自ら市場の過熱を煽る末端を受け持ちながら、逆に喪失感と疎外感を禁じ得ない。今の「村上春樹の作品」は、あまりに消費される商品でありすぎる。昔は、これほど大衆商品的な存在ではなかった。村上春樹の作品は、何かどんどん薄っぺらなものになり、市場化され商品化される中で、本当の価値のない軽いものになっている。昔のMSのWindowsとか、今のAppleのiPhoneとか、そんな無意味なクズ商品の一つに成り下がったようで、正直なところ面白くない気分でいる。この新作は商品だ。論じる前に「読め読め」であり、とにかく「買え買え」である。私が、2回の記事の書評で抵抗を試みたのは、この商品が「読め読め」「買え買え」と浮かれて騒ぐ価値があるものなのかと言いたかった所為もある。今回、三省堂の神田神保町本店が「村上春樹堂」の看板を設えて商戦を盛り上げ、そのプロモーションをマスコミが取り上げて話題にした。




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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読む(3)_b0090336_1328610.jpg

by thessalonike5 | 2013-04-16 23:30
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