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本と映画と政治の批評
by thessalonike5


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OWSとパリ・コミューン - 新時代のインターナショナル
OWSとパリ・コミューン - 新時代のインターナショナル_b0090336_17541760.jpgマルクスは、最初の社会主義革命は、資本主義が最も高度に発達した英国で起きるだろうと予想していた。そこに革命主体たる都市のプロレタリアートが最も大量に準備され、貧困等のいわゆる資本主義の矛盾が最も先鋭に蓄積され、沸点を超え、先頭を切って歴史の次の段階に進むだろうと考えたからである。『イギリスにおける労働者階級の状態』などを読むと、そうした状況が理解できる。しかし、現実の歴史はそうした単線的方向を辿らなかった。ビクトリア朝の英国は世界中に広範な植民地を獲得し、植民地から得た利潤が労働者にもトリクルダウンされる仕組みが整い、革命は英国では起きず、想定外だった辺境のロシアで勃発する事態となる。論理順応的に英国で起きていたらどうだっただろうかという設問は、世界史の授業中に高校生が一度は探求してみるイフヒストリーで、年を重ねた身には懐かしい精神体験の切片だが、今度のOWSの運動を見て、自然に思い起こされたのは、そうしたマルクスの革命予想の問題だった。米国の格差社会の現状は日本よりも凄絶で、失業率も高く、貧困の度もはるかに悲惨だ。同時に、米国には海外の植民地(現在は特に日本)から吸い取った冨が撒かれ、ビクトリア朝期の英国と同じような構造と現実もある。新自由主義の総本山である米国。そこで、新自由主義を正面から否定する運動が発生し、瞬く間に全世界に飛び火した。




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OWSとパリ・コミューン - 新時代のインターナショナル_b0090336_1755593.jpg

by thessalonike5 | 2011-10-18 23:30
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