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ヘラヘラ笑う石川迪夫、酒光一章、斑目春樹、佐々木毅
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今年も半年が過ぎ、暑苦しい夏の季節になった。夜、コンビニで飲料水を買おうとして玄関のドアを開けると、外のコンクリートの上を小さなゴキブリが這っていて、すぐにサンダルで踏みつぶした。今年初めて見る一匹だが、このところ、本当にこの昆虫の姿を見かける機会がない。そして、ここ数年、目撃するゴキブリの体が小さくなって、体長1センチほどしかないのだ。体が小さくなっただけでなく、動きがとても鈍く、逃げ足が遅いのである。体がハエほどに小さく、ヨロヨロとのろまなので、だから簡単に踏みつぶせる。そう言えば、この3年ほどハエが飛ぶのを見たことがない。少し歩くと、今度は小さな蛾がコンクリートの上に落ちて、ヨタヨタと死にかかっていた。蛾も小さい。2センチほどしかない。蛾もゴキブリも小さく孤独に生きている。と言うより、夏が始まったばかりだというのに、もう死にかかっている。生命力がない。個体量が少ない。蚊もほとんど見なくなった。そして同じく、偶に見つけても、とても弱々しく、小さく、逃げるスピードが遅い。居住する環境が清潔になっていることは結構なことだけれど、自然が周辺から消え、生きものが死に絶えているのだ。ゴキブリも、蛾も、蚊も、息絶え絶えに、か細く、か弱く、申し訳なさそうにひっそり生きていて、絶滅寸前といった姿を見せている。夏の害虫たちの今の状態が、日本の社会の姿と重なる。
by thessalonike5
| 2011-06-30 23:30
| 東日本大震災
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